2001年5月3日
原口一博国会通信(23)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU

          第19回市民政策ヒアリング―芸術文化基本法

 民主党市民政策議員懇談会(横路会長、原口事務局長)で第19回のヒアリングを行い、芸術文化基本法制定に向けて行動することを確認いたしました。

 まず音楽議連振興会議鈴木事務局長さんに芸術文化基本法の理念や今日的な課題についてお話をいただき、次いで静岡文化芸術大学専任講師小林真理さんに「欧州の文化政策の国際的視点」と題して法比較を学ばせていただきました。

 ドイツでは、連邦憲法で芸術の自由(自由権)が規定されているだけでしたが、ただレッセフェール(自由放任)にしておくだけという考えでは芸術が振興せず、「国民がこの自由を享受するためには、いろいろと社会整備をしなければならない。」とする判決が下りたこともあって、ハンブルク、ベルリン州を除く全て州憲法に芸術振興を規定しています。

 フィンランドでは、1967年芸術振興法が制定され、芸術文化を福祉国家を築く上で必須の基本的サービスとして位置付けました。その後90年代、EU統合後において芸術文化政策は、国家戦略の一部として再認識されてきています。統合後の欧州諸国の中で埋没ぜずに生き残るためには文化的アイデンティティーの強化が必須だからです。

 芸術文化をより積極的にとらえる見方の台頭です。「社会が発展していくためには創造的な活動が必要だ。」として、より創造的芸術文化振興政策が盛り込まれてきました。

 オーストリアにおいても国家のアイデンティティーを確立するためにウイーン州を除く全ての州で文化振興法が制定されました。「芸術が自分達の力になる。」として新しい文化的な価値を創造していくことに大きな力が注がれています。

 「わが国では国民の96%が文化を大事にすべきと考えているにもかかわらず、芸術文化振興の根拠となる法整備も予算、制度改正も「お寒い状況」でした。」(芸術文化振興基金536億は低金利の影響で目減りをしています。芸術団体の平均年収は477万円です。未だに芸能与納制度という大昔の税制が通用しています。)NPO夢ネットの高比良正司さん(PAN=芸術文化振興連絡会議=前事務局長、子ども劇場全国センター前代表理事)がこれまでの文化政策の現状を詳らかにしていただきました。

              http://www.s-takahira.com/pages/part.html

 「子どもの権利条約に批准したもののカラ文句に終わっています。子ども達が地域で育つための政策が全く触れられていませんが何故ですか。」私達に突きつけられた言葉の重さに気を引き締めなおしました。

 人々の参加機会を保障するための「文化権」、創造性や表現力、コミュニケーション力や共同意識を育むための芸術文化基盤整備、芸術家の地位向上と専門職能の養成など理念の根幹となる部分について議論を深め成案を得たいと考えています。即座に政調役員会議で提案し、民主党ネクストキャビネットで法案提出への承認を得ました。文部科学部門会議でも私が提案説明をいたしました。同部門のワ−キングチームで素晴らしい基本法のたたき台を作っていきたいと思います。

 (市民政策ヒアリング参加者)
 高比良さんはじめ、()日本芸能実演家団体協議会事務局長大和滋さん、同文化情報センター部長米屋尚子さん、静岡文化芸術大学専任講師の小林真理さん

(参加議員)
 江崎洋一郎、金田誠一、佐々木秀典、中野寛成、葉山 峻、原口一博、藤村 修、
 牧 義夫、山谷えり子、横路孝弘 、小宮山洋子氏

(参考資料 子どもの権利条約第31条)
   
http://www.unicef.or.jp/hif/hi_5_4.html
   ユニセフのホームページより

   第31

  1. 締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。
  2. 締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。


 DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録
電子メールアドレス(半角):