2001年5月14日
原口一博国会通信(25)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU

民主党基本戦略


(現状の認識)
 小泉内閣は未曾有の高支持率を記録しています。小泉総理自身が述べているように「(擬似)政権交代」「(擬似)改革」を国民が大きく支持している証左だと考えられます。不況と悪政に抑圧された国民の「とりあえず思い切ったことをしてほしい。」という心理的代償行為が小泉内閣の高支持率の正体であり、森不人気内閣のリバウンドだと切り捨ててしまうのは簡単ですが、民主党は冷静に本質を看破する作業を怠れば大きく対応を誤る危険性をはらんでいます。

 構造改革、不良債権の最終処理、首相公選制、財政再建、規制改革なども、従来民主党の主張してきた改革の旗を奪うかのような大胆な政策転換だと受け止められています。女性閣僚の登用、脱経世会人事、脱派閥人事など人事面での加点も大きく、マスコミをフルに利用した戦術の成功は、検証に値します。(小泉総理の一つのフレーズが5秒以内であること、明るい断定調であること、戦うべき大きな敵(スケープゴート)つくり等)

 「ビジョン無しに批判したり、単に敵失を待つような受身の戦術では、民主党は壊滅的な打撃を蒙るのではないか。」という心配も聞かれます。

 東京都議選、参議院選挙を控えた現在、民主党は危機的な状況にあることをまず認識すべきだと考えます。

 ここに至る経緯を見ると国会論戦中にみすみす二週間も自民党総裁選を許してしまった戦略の誤りが総括されなければなりません。また「自民党改革派」に秋波を送り「小泉氏自身をも民主党議員自らが“ヒーロー”に仕立て上げたこと」は、厳しく反省されるべきです。これまで政権交代を目指してきた野党第一党が「不用意な与党への秋波」で崩壊してきたことを全く理解しない愚挙であるとの指摘すらあります。民主党の主体性・戦う姿勢が問われていることを肝にめいじるべきではないでしょうか。

 さらに危機感を増幅させるのはこの期に及んでも「高支持率」に腰がひけていることです。「この改革をするのなら協力をおしまない。」(リトマス試験紙論)を言う人もいますがそうでであれば連立の協議に入るべきではないでしょうか。参議院選挙で戦う旗も理念も失って迷走しているように国民にうつればいよいよ危機的です。


(確認すべき戦略)

 民主党の戦う姿勢、主体性の確認

 今の日本の状況はヒットラーが台頭するときの雰囲気に似ています。大政翼賛的な不気味さに警鐘を鳴らすべきです。ヒトラー統治下においてもファッショに命をかけて対抗した民主主義勢力がありました。民主党は、時代の安易な雰囲気に妥協すべきではありません。


 戦う旗・理念の再確認

 市場万能主義、競争至上主義的な小泉改革では、日本は立ち直りません。民主党は、まず守るべきものを明確にしたいと考えます。市場万能主義に対なるものは人間尊重主義であり、競争至上政策に対抗するのは協力政策です。


 デバイド&ルールの戦略

 戦いの常道は敵対勢力を分離・分轄して内部矛盾を顕在化させるところにあります。小泉革命への与党内の不満もそれを誘発する力が外部から働かなければ、大きな国政選挙を控えた今、顕在化には至りません。小泉=改革と古い政治体質との対立や矛盾をどれほど浮きぼりにできるか真価が問われます。


(リーダーシップとチーム)

 民主党は、上意下達のピラミッド政党ではありません。国民の多様な価値観を統合し、急激に変化する国際社会や時代の要請に即応するために創られたネットワーク型の政党です。

 ここで求められるリーダーシップの理想像も自ずとこれまでの常識とは違う形であるべきです。

 (1)志高く使命感に溢れていること。
 (2)多元的な価値観の差異に寛容であり、公正であること。

 (3)明確で透明性の高い合意形成を迅速にできること。
 (4)国民との対話能力にすぐれ個々の潜在力をいかんなく発揮できること。
 (5)世界との幅広いネットワークの基点となりうること。

 など様々な資質が要求されます。
 またこのチームは

    (1) 人材の流動性が高く
    (2) 自己責任と自由な発言環境のもと
    (3) それぞれの個性が遺憾なく発揮できること
    (4) 競争システムと相互互助機能が調和していること

 などを特徴としています。

 あくまで選挙による政権交代の基本を堅持すべきです。誰かを排除したり、独断専行に陥る愚を犯してはなりません。自らと自らのチームを信じて前進すべです。勇気をもって行動するものにだけ勝利の女神が微笑むでしょう。

 ネットワークを主導する基点となるチームは常に新陳代謝をしていることが望ましいと考えます。



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