2001年7月8日
原口一博国会通信(38)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU

            日米地位協定見直し

             平和の島―沖縄

 第151通常国会予算委員会総理質問で2回にわたって日米地位協定の見直しを迫りました。

2001年2月26日予算委員会総理質疑http://haraguti.com/qx/q1302261.htm
2001年3月2日予算委員会総括質疑http://haraguti.com/qx/q1303023.htm

 沖縄問題に取り組んで20年以上の歳月が過ぎました。「同じ戦闘機でも米軍機の音と自衛隊のそれとでは同じに聞こえません。」「何故この平和の島にこのような武器がたくさん持ち込まれるのでしょうか?」「米軍による事件・事故はいつになったら無くなるのでしょうか?」沖縄の心を大切にしたい。平和の島を取り戻したい。その一心で活動を続けてきましたが沖縄の願いは、超大国の世界戦略の中で何度も「かき消されて」きました

 沖縄・北方対策特別委員会筆頭理事として民主党部会長として昨年4月には軍転特別措置法改正案、地位協定見直し案を上原康助代議士のご指導を中心に策定しました。

 民主党地位協定見直し案 http://www.dpj.or.jp/seisaku/gaiko/BOX_GK0012.html

 米軍嘉手納ラプコンの返還活動など実を結んだものもわずかながらにありましたが、「SACO最終報告を着実に実施するだけです。」と政府の答弁の足踏みを繰り返すばかり。普天間基地移設についても暗礁に乗り上げ、15年期限問題も米国との協議で本気で取り上げた政治家を私は知りません。

 先の訪米でもラムスフェルド国防長官や多くの外交・安全保障関係者と沖縄基地問題について率直な議論を重ねました。マイケル・グリーン氏やマイク・モチズキ氏らとも在沖海兵隊の撤退問題について意見を交わしました。特別委員会での質問も沖縄問題が最多です。

               http://haraguti.com/qx/q1208041.htm

          http://haraguti.com/qx/q0906131.htm

 米海兵隊員による女性暴行事件がまた起こり、政府の対応は後手後手です。4野党で抗議の申し入れを行いました。
 「国防総省には、ひっきりなしに情報が入ります。世界に展開する米軍が関わったミッション、そして事件、事故。」「死や暴力と隣り合わせの軍隊。」「そこでは、沖縄での事件、事故も多く事件、事故の中の一つです。いちいち目くじらをたてるのは、同盟国としての立場をわきまえていないのではないでしょうか?」これは、ある人物の言葉です。勿論、日本人ではありません。
 私は、この人物のような考え方は断じて容認できません。反対です。平和を守るために展開している軍隊には、より高い倫理性と規範が要求されます。他国に駐留する軍隊であればなおさらです。

 沖縄は、過重な基地の負担を受忍してきた島です。武器のない平和な島が、世界の3分の1を軍事的にカバーする米軍スプレッドの基点にされています。朝鮮動乱の時、置かれたそのままの軍隊が今もなお駐留しています。沖縄の最大の問題は、平時であるにもかかわらず有事と同じ状況を受忍せざるを得ないことです。

 田中外相や鈴木外務委員会理事といった議員でさえ地位協定改正に言及したとの報道です。もしこれが本当なら与党の政治家でさえ言及したことを多としたいと思います。しかし、そうであるなら、何故予算委員会でこれまで幾度となく強く改正を主張している時に一言も発しなかったのでしょうか?事件が起こらなければ事実と向き合わない場当たり的な政治こそが沖縄の悲劇の元凶だと思います。


 原口委員日米関係は世界の中で最も重要な二国間関係であるというふうに思います。そういう中でも、私は、今のような状況が放置をされている、身柄の引き渡しについても、あるいは環境条項については外相は昨年の予算委員会の私の質問に前向きの御答弁をいただきましたが、もうこの運用の改善で済む話ではない。二国間関係が重要であればあるほど、私は地位協定の見直し、これに真剣に踏み込み、検討を始めるべきだというふうに思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。

○内閣総理大臣 前段のお話は、まだ私もそのニュースを見ておりませんので、今外務大臣からお答えを申し上げたとおりであろうというふうに思います。
 在日米軍施設・区域が沖縄県民の皆さんに多大な御負担をかけている、そういうふうに集中的に御負担をかけている、こういう意味では、沖縄県民の方々のお気持ちのあらわれとしてさまざまな御意見があるということはよく承知しておりますし、先週も、我が党の沖縄県選出の国会議員が私のところにお見えになりまして、一連の不祥事等が起きたことについて、沖縄県民の怒りといいましょうか、そうしたものも私は十二分に伺いました。
 私は、そういう意味で、この日米地位協定の問題は、今御指摘があって御批判がありましたが、まずは運用の改善をどこまでやり得るか、そのことはやはり日米関係を重要視してやっていくべきだと思っています。そして、個々の問題に対して機敏に対応することが重要、とりわけ沖縄の県民の皆さんの気持ちにすぐ対応でき得るような、そうしたことをすることがまず第一だろうというふうに考えます。それが十分効果的でないということの場合には、これは相手もあることでございますけれども、地位協定の改正も視野に入れていくべきであろう、このように私自身も判断をいたしておるところでございます。


 現職総理が地位協定見直しにはじめて言及した予算委員会記録です。(2001年2月26日予算委員会総理質疑)しかし、この一週間後に総理は何もなかったかのように前言を訂正しました。国会における言論は死んでいます。

 「日米地位協定は、1960年の締結後40年が経過し、米軍基地や駐留軍の存在をめぐり様々な問題が生起した。同協定は1951年のNATO軍地位一般協定の諸原則に準拠し、冷戦が最も厳しい時代背景の下で作成されたが、東西対立構造の終焉により、内外情勢は大きく変わっている。このため、民主党は折に触れ、地位協定の抜本的見直しの必要性を指摘してきたが、政府は極めて消極的な姿勢をとり続け運用面での改善措置に終始してきている。本来、条約は国会の承認を得た後も「外交の民主的統制」の下で、その運用等について厳格にチェックされるべきものであるが、実際には行政府の判断に白紙委任されているのが現状である。地位協定の見直しは、米軍基地の過重な負担を強いられている沖縄県だけの問題でなく、全国民にとって喫緊の課題であるとの観点から、同問題に主体性を持って取り組み、これを制度的に解決し、日米安全保体制下で派生している懸案事項を是正しつつ、その安定的な運用を図るため、以下の事項について日米間で協議すべきである。」

 私達の地位協定改正案は、3条のAとして環境保全条項を新設し、凶悪犯罪の場合に、起訴前であっても日本が被疑者の拘禁を行えるようにする17条改正などを含むものです。 平成の最も重要な条約改正、それは日米地位協定改正です。



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