2001年8月10日
原口一博国会通信(41) DIGITAL SYOKASONJYUKU
ワークシェアリングオランダの雇用政策に学ぶ
オランダの雇用政策、ことにワークシェアリングが着目されています。逆瀬川潔先生を講師にお招きし、民主党規制改革プロジェクトチームで議論を行いました。
オランダは、一人あたりGDP購買力平価ベース日本とあまり変わらない国です。 三次産業の就業者が多いこと。運輸関係の産業が発達し多国籍企業がたくさん進出していること。輸出依存度が50%越えること。(日本10%)環境問題の取り組みが盛んなことなどの特色を持った国です。 最近の経済状況を見ると輸出が好調で年成長率4.5%、就業者増加率2.2%(サービス業特に非営利部門 女性の進出)を達成しています。最悪だった1984年の失業率14.6が1999には3.2に改善しています。雇用の増加の中身を見てみると女性を中心に雇用が改善していることが特徴です。
かつてこの国は、社会保障給付の急増、大量の失業者、大幅な財政赤字の三重苦=オランダ病ともいわれるほどの福祉国家の危機にあえいでいました。それを脱却する原動力となったものが雇用増加のための賃金抑制、労働時間短縮、パートタイム雇用の創出などを中心とするワッセナー合意であったとされています。ワッセナー合意後の改革はオランダモデルとよばれていますが、その中心は「JOB STRATEGY(OECD)規制を緩和することによって自由な市場を創り、自由な市場を生かして雇用を創出する一方、行き過ぎた社会保障を削り、仕事をする動機付けを重視するという改革」だったとされています。
ACTIVE MAN POWER POLICYとして公共職業安定所の機能を効率化し、民間参入を促進、派遣労働自由化を積極的に行いました。そこで配慮されたのが下記の事項でした。
EMPLOYABILITYを高める 新しく労働市場に参入できるように
ADAPTABILITYを高める 既に就業している人の適応性を
ANTRAPURANULE起業家精神を発揚
EQUAL OPPORTUNITY 雇用機会均等
労使交渉での抑制、法定最低賃金の引き下げで賃金は抑制されるものの時短を達成しながら雇用を守るワークシェアリングが実行に移されました。
労働協約賃金の最低賃金を法定最低賃金に近づけるとともに、労働組合組織率は30%でしたが、かなりの労働者にこれを拡張適応しました。労使双方に労働協約による賃金を下回る交渉を認める一方で、低賃金労働者の社会保険料負担の軽減を行いました。
この政策が成功を修めたとされる背景には、所得の増加より雇用と生活の質を重視する国民性があったことも指摘されています。また、社会保障についての責任の再分配、女性の労働市場への参加もかかせない要因でした。
このオランダモデルを現在の日本に直接適応することは、現実的ではないかもしれません。しかし、大いに参考にすることはできます。一単位あたりの生産性が上がれば、必然と物価が下がります。競争が激しくなれば、雇用が流動化することも避けられません。雇用や生活の不安を極小化する具体策をしっかりと提示することが、今ほど求められている時はありません。安心の政策パッケージを提出する上で、「オランダの成功」に学ぶところは大だと思います。
(民主党規制改革プロジェクト勉強会よりの抜粋を加えています。文責 原口)
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