2001年10月16日
原口一博国会通信(53)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU

            市町村合併の現状と課題

                       地方主権改革

 市町村の合併の特例に関する法律は、合併の手続きについて規定するとともに、議員の定数・在任期間特例、合併協議会設置の住民発議制度や、合併特例債、市要件の特例(平成17年3月31日まで)を定めています。現在、この合併協議会設置について住民投票制度を導入する改正案が国会で審議されています。政府も合併重点支援地域の指定、合併推進本部設置し、経済・財政諮問会議でも促進の提言をしています。

 町村の財政基盤強化を目途に町村数を約5分の1にした明治の大合併(明治20年)、地方団体強化をうたったシャウプ勧告を受けて町村数を約3分の1にした昭和の大合併(昭和20年代末から30年代)に次ぐ第3の合併への動きが現在だと考えられます。26地域で法廷合併協議会が設置され、今年になってすでに4件の合併が実現しています。

 この合併の背景に(1)地方財政危機から行政コスト削減の必要性(2)まちづくりの広域化と住民の利便性向上への要求(3)行政基盤、サービス高度化・維持の必要性が考えられます。しかし、議論の中には「強制的に罰則を設けて期限を区切って合併促進すべし。」などとおよそ自治の基本を外したものも見られます。また「西東京市の合併には370億円、さいたま市には740億円の合併特例債(事業費ベース)発行が行われるなど破格の財政措置を講じて全国一斉の合併特需をあおっているのはおかしい。」という指摘もあります。

 過度に集権化した機構を改め、「本来の自治権」を主権者が取り戻すという地方主権の基本が確認されるべきだと私は考えます。合併の是非を判断するのは市民です。市民が参画するためには、情報開示が大原則となりますし、主権の再確認と税財源・権限改革なき合併は、単なる行政単位の見直しに過ぎません。

 私達は、市民が主役の合併促進を行うために住民自治基本法(仮称)制定、道州制導入、分権連邦国家のビジョンを提示しています。公共事業関連補助金等の一括交付金化、、中央政府と地方の税収比率を半々にするなど税・財源改革案を提示しています。地方交付税改革も(1)地方財政の規律回復(2)地方自治体がその経済を発展させ、自前の税収を増やす誘因を回復するという視点から議論を進めています。

 10月8日佐賀市で開催された「まちづくり仕掛け人会議 市町村合併・とことん話し合おう」では私もパネラーとして参加しました。私は、そこで「自由と選択」をキーワードに町村合併を論じました。310兆円もの中央集権構造の中で私達が失ってしまっている自由と選択。地方主権とその主体づくりとしての合併議論は、市民が自由を獲得する作業と平行して進められるべきだと思います。「まちづくり」は、そこに集う市民が共有する価値観を形にする運動です。まちの伝統や文化、アイデンティティーを確認し、ビジョンを共有しながら運動を進めることは、「喜び」や「希望」、「躍動」や「楽しさ」を伴います。行政や財政の論理のみに縛られることなく、市民が自由にまちづくりの発想を交わせる環境作りに務めていきたいと思います。



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