2001年11月15日
原口一博国会通信(56)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU

                外相問題

 外相を巡る問題が大きくクロ−ズアップされ、国会でも数々の議論が繰り返されてきました。本通信は特定個人の是非を論じないことを原則としていますので、これまで私がここで意見を述べることを控えてきました。しかし、通信の読者から国政問題について明確なスタンスを述べて欲しいという要請が続きました。確かに読者の皆さんがお話になるように外交の根幹に関わる外相の問題は単に個人の問題で済まされる話ではありませんので、少し述べてみたいと思います。

 まず外相に求められる基本的な資質ですが、幅広い教養と理解力にもまして他者を理解し包み込む広い心、困難に打ち勝つ強い意志と理念、指導力、ネットワーク等様々な要素が考えられます。

 衆議院予算委員会質疑で民主党の上田代議士が「理想的な外交官」を紹介してくれました。

 第一は「誠実」である――― 交渉する相手の心に、何事であれ、間違った印象を残さないように努めなければならない。

 第二は「正確さ」である―― ここで正確さと言うのは、単に知的な正しさばかりではなく道徳的な正しさも意味する。交渉者は精神においても心情においても正確でなければならない。

 第三は「平静」の資質である―― 交渉という任務には不愉快な相手の愚鈍、不誠実、野蛮、または自惚れに直面せざるをえないときがあるが、その際怒りを示すことを避けなければならない。またすべての個人的遺恨、すべての個人的偏愛、すべての熱狂、偏見、虚栄、誇張、脚色及び道徳的憤怒を慎まなければならない。

 第四は「機嫌を良く」していなければならない――あるいは少なくとも不機嫌を完全に抑えているのでなければならない。

 第五は異常なまでに「忍耐強く」なければならない。

 第六は「謙虚」でなければならない。

 第七は「忠誠」でなければならない。

 就任後6ヶ月のこれまでの事件の一つ一つを検証するまでもなく、以上のような観点からは、大きな疑問符がつくことは否定できません。肝心の外務省改革についても国会への情報開示は極めて不十分です。予算委員会理事会で再三再四、強く要求して会計検査院の再調査報告が9月にやっと提出されましたが、外務省から提出されるものは相次ぐ不祥事の後追いになっています。大臣ご自身も「事務方に早く出しなさいといってやっと出てきましたが、たった4枚だけです。」と私の質問に答えましたが、国会への提出は拒否しました。その後も新たな不祥事が外務省に続出したことは、皆さんご存知の通りです。

 外相についてのTVインタビューがありました。予算委員会の私の質問に対する答え方を問われました。外相は、詳しいことを聞かされていなかったのではないかと思われる答弁でした。一言でいえば「的外れ」の答弁です。しかし、その中でも誠実に答えようとする姿勢は感じられました。

 外相に期待するかと聞かれましたので、これまで民主党の若手とは概ね良好な関係だったし(ダッシュの会などにも講師としてきてくださいました。)個人的には、外務省改革をともに進めてくれることを期待していると答えておきました。外相は、自分一人で抱え込むのではなく、私達国会議員に積極的に情報開示を行えば良いと思います。
 外相個人の人格を否定するかのような報道もされていますが、少し行き過ぎではないでしょうか。「外相が人をひととしてきっちりと扱わないからだ。」と言ってしまえばそのとおりかもしれませんが、外相が本来のあるべき姿勢を取り戻し、改革を前向きに進めるのなら、協力する用意があると答えておきました。

 外交が停滞していること、国会などでのふるまいなどが免責されると言っているのではありません。このような状態を放置している国会も責任を厳しく反省しなければなりません。この際、一度撤退して出直すチャンスが与えられても良いと思いますが、まるで火達磨にされた先発投手を監督がさらしものにしているような印象さえ受けることが残念です。 このままでは外務省改革も外交の信頼回復も見通しは暗いと思います。外務省にも志が高い人たちがたくさんいます。「罪を憎んで人を憎まず。」外相が外務省のすばらしい人たちの力を引き出すような仕事をしてくれることを望みます。



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