2001年12月21日
原口一博国会通信(61)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU


               改革開放と中国経済

          師―松下幸之助氏に出会う・朱総理との会談

 毎年恒例となった未来政治研究会の中国訪問。今回は中国のベンチャー企業・日中合弁企業視察・朱鎔基首相らとの会談が柱です。

 12月13日訪問団はBMCCPANASONICを視察しました。

 「繁栄はアジアに巡り来る。」この言葉を残したのは、私たちの師―松下幸之助塾長です。1978年ケ小平(当時副首相)主席は松下のテレビ工場を訪れ松下さんに中国の改革開放に協力してくれるように頼みます。これを快諾した松下さんは、1979年と1980年二回にわたり訪中。1985年に北京市と合併会社を設立することを決断。1987年6月には正式契約に調印します。そのわずか2年後の1989年6月3日松下合併会社の第一号である
BMCCBEIJIN MATUSHITA COLOR CRT CO.,LTD.)はCRT第1号を完成させます。松下さんの決断の早さ、ケ小平国家主席との信頼の厚さ、日中の社員一丸となった努力の賜物です。

 しかし、その翌日、BMCCを未曾有の歴史的荒波が襲います。天安門事件です。「日本人は全て日本に帰るように。」という国の指示に現場を放棄せずに頑張った松下魂。「企業の成否は人にあり。日中双方共に優秀な人材を。ものを作る前に人をつくる。」「心を一つに国際競争に挑戦」することを目標にBMCCの挑戦が続きます。
 松下電器の7精神に加えて、「実事求是の精神」「改革発展の精神」「友好合作の精神」の10精神を毎日唱和しています。師の明確な意思がここにも生きています。松下さんの大きな写真は強い決意と意志にあふれています。私たちに時を超えて、約束を守るように問いかけるようです。
                 (北京・中南海で 朱総理との会談)

 9時30分から始まった総理との会談は2時間を超えるものでした。私の質問に50分以上の時間をかけて答えていただきました。やはり昨日の外交部副部長との会談が功を奏したのかもしれませんが、全く事前の話し無くこれだけのことを議論できる間柄をとても大切にしています。朱総理との会談は、日本でのものを入れると4回目。5年にわたる古い友人関係ならではの会談です。昨年は、測量船の問題、
TMDの問題、靖国問題について激論を交わしました。その後の日本訪問での朱総理の発言等を通して私たちの信頼はさらに深まりました。

 今回の議論は、急速に台頭する中国経済を中心に議論を進めました。私たちが提起した問題は次の諸点です。
 (1)通貨政策の基本姿勢について
 (2)
ASEANと中国との自由貿易圏構想について
 (3)通貨統合について
 (4)中国の経済成長率の根拠とその原動力について
 (5)セーフガード問題について
 (6)国営企業改革について
 (7)
WTO加盟問題について
 (8)中国の環境政策について
 (9)知的所有権の法整備について
(10)中国でこれから最も重要な価値観は何か、朱総理が大切にしている価値は何か
(11)石油備蓄についてでありました。


 会見内容は日中の報道機関でも報道されていますが、ここではお相手のあることなので内容の開示は慎重にしなければなりません。

 報道されている一部を紹介します。

 「国務院の朱鎔基総理は14日、中南海で逢沢一郎衆院議員を団長とする日本の若手議員の訪中団一行と会見した。
 
   
朱総理は「日本の若手政治家は中日の友好発展において中堅的役割を果たしている。中日友好関係は世々代代伝えていかなくてはならない。若手政治家たちが中日友好関係に新たな貢献を行っていくよう期待している」と述べたうえで、「今年に入り、中日関係はさまざまな挫折を経験した。小泉首相の訪中や上海で行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)での江沢民主席と小泉首相の会談、ブルネイで開かれたASEANプラス中日韓での私と小泉首相の会談により、中日関係は徐々に正常化しつつある。2002年は中日国交正常化30周年にあたる。中日関係がさらに発展していくよう期待している」と述べた。

    
                    「人民網日本語版」20011215日より

 中国の朱鎔基首相、人民元の切り上げを否定

 中国の朱鎔基首相は14日、日本の国会議員らによる未来政治研究会の訪中団(団長・逢沢一郎衆院議員)と会談し、日本の産業界の一部から声が出ている人民元の切り上げについて「元は安定した小幅変動が望ましく、(現状を)維持したい」と述べ、その考えがないことを強調した。

 人民元切り上げ論は、日中間の貿易不均衡の是正に向けて中国側への圧力となっている模様だが、朱首相はアジア経済危機の際に人民元の切り下げ圧力に耐えた経験を持ちだし、「(安易な変動は)長期的に投資マインドを冷まし、アジア経済に悪い影響を与える」と訴えた。 そのうえで「(人民元高につながる)円安誘導は内需拡大などに不利で、日本経済の本当の回復にはならない。円安には導かない方がいい」とし、小泉純一郎首相に伝えて欲しいと求めた。


 中国の世界貿易機関(WTO)加盟については「農産品については大変心配している。米国の安価な小麦などは脅威だ。国内農業を守りたいが、守りきれる自信はない」と率直に述べ、懸念を示した。(朝日新聞より)

 中長期の戦略をしっかりと立て、明確な理念のもとに為すべきことを成し遂げる指導者の力を実感した訪中でした。



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