2001年12月22日
原口一博国会通信(62) DIGITAL SYOKASONJYUKU
平成14年度政府予算案財務省原案内示
−何を目指した予算か−
平成14年度政府予算案財務省原案が内示されました。「歳出の効率化を進める一方、予算配分を重点分野に大胆にシフトする改革断行予算を実現」というのが政府の説明です。
「このことによりまして、経済構造の転換を促すということをしっかりと踏まえております。また、コスト意識をここで非常に強く打ち出しました。特に公共事業、あるいはODA予算、あるいは地方行政等、いろいろな各般にわたりまして、財政支出の効率化と、それから即効性というものにつきまして重点的に点検して、配分いたした次第であります。
重点分野は、既に皆さんに申し上げるまでもないと思っておりますが、この点が今回の予算のメリハリになっておると思っております。
14年度の規模といたしましては、81兆 2,300億円、国債費及び地方交付税交付金等を除いた一般歳出予算は、13年度当初予算に比べまして 2.3%減の47兆 5,472億円となっております。また、公債金は対前年度1兆 7,000億円増の30兆円きっちりとなっておりまして、公債依存度は36.9%となります。また、財政投融資計画につきましては、財政投融資改革、行財政改革の趣旨を踏まえ、全体規模を縮減しつつ、対象事業の重点化を図るとともに、現下の社会経済情勢にかんがみ、真に必要と考えられる資金需要には的確に対応することといたしました。このことは、内閣府を中心として進めておりますところの特殊法人の整理、改革、この組織がえと並行して、各機関が持っております事業の中身を精確に査定いたしまして、削るべきところは予算上削ったということでございまして、その結果、財政投融資計画の規模は、13年度当初に比べまして17.7%の減となりました。そして、金額にいたしまして26兆 7,920億円となりました。」(12月19日財務大臣記者会見より)
政府は既に2次補正予算を閣議決定しています。2度も補正予算を組むことを決めながらどうして経済見通しが常に下方修正されるのでしょうか?無策を通り越しているのではないでしょうか?アルゼンチンでは経済失政に対する国民の不満で大統領が辞任するなど混乱状態にあります。日本も他山の石では済まされません。
日本の公的債務は、来年の3月までにGDPの140%に達する見込みです。新規の公債発行枠30兆円という公約は掛け声倒れに終わっています。例えば、地方交付税予算一つを例にとってもこのことは明白です。交付税特別会計から自治体に振り向ける交付税の総額は4.0%減の19兆5400億円。このうち2兆900億円は、当初は打ち切る予定だった特別会計の借り入れです。特別会計からの一般会計への借り入れは、まさに隠れ借金の温床で、国債を30兆円に抑えても隠れ借金をこのように増やすのなら同じことです。寧ろ国民にわかりにくい分、不適切です。財政の本旨にのっとった運営ではなく、まさに繕いで済ますやり方は感心しません。財務大臣はこのような繰り入れについて廃止すると否定的な見解を示していたはずです。
公共事業予算についてみても、 公共投資関係費は総額で9兆2525億円と今年度当初比で10.7%減った。しかし事業別のシェアの変動率は小数点以下です。「重点投資」のかけ声とは裏腹に、投資効果の高い事業にメリハリを付けて配分したとはとても言えません。
歳入の構造改革に踏み込まないために、このような中途半端なものとなるのだと考えます。焦点の医療改革予算についても、そもそも医療=医療保険ではないはずです。三方一両損などという論理がどうしてここでまかり通るのか不思議です。社会保障関係費は総額18兆2795億円で、3・8%増になっています。来年度から実施される医療制度改革により、医療費の国庫負担は当初見込まれた自然増の5500億円が2699億円に圧縮され、総額は7兆4782億円になっていますが、負担増がもっと明確なのは、高齢者のうちの高所得者です(夫婦2人で年収630万円以上の世帯)。本人の窓口負担は現在の1割から2割に増えることになります。
政府は2003年度から現役世代のサラリーマン本人の窓口負担も現在の2割から3割に引き上げたい考えです。国民に医療負担を押し付けただけの改革の名に値しないものだという批判は避けられません。
国立大の授業料が、今回の財務省原案では一気に3万6000円値上げされ、53万2800円となり、値上げ幅は7・2%にも上ります。教育費負担の大幅増大に時代を担う人材育成に本気で取り組む気があるのかと疑問です。
民主党の岡田政調会長が「構造改革とは名ばかりの予算案だ。新規国債発行額を30兆円にとどめたが、逆に隠れ借金が増えるなど透明感が失われている。地方への税源移譲が盛り込まれていないほか、公共事業も従来型の積み増しだ」としているようにかなり問題の先送り型予算となっています。予算の枠組みは、昨年度、私たちが組替えを提示した予算案に似ていますが、中身を検証して見ると「景気撃墜予算」「改革後退予算」でしかないことがわかります。
予算編成という「ビジネスモデル」システムそのもの・政権そのものを改変しなければ、そこから生み出される予算そのものも変わりばえがしないことが明らかになりました。歳入構造改革にも大胆に踏み込めるような「強い政策集団」を目指したいと思います。
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