2001年12月23日
原口一博国会通信(63) DIGITAL SYOKASONJYUKU
牛海綿状脳症問題
情報開示に誠実であることが最善の対策
狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)問題で、欧州連合(EU)の委員会が今年4月の最終報告書案で、1990年代前半以降、日本国内で感染の危険性が増大し続けている可能性を指摘していたことが21日、分かりました。EU側は、日本の危険度を発生国と同レベル扱いで評価していたことも判明。 最終報告書案は、狂牛病問題の行政の対応を検証する21日の「BSE問題に関する調査検討委員会」(委員長・高橋正郎日本大教授)で、農水省側から公表されたものです。同報告書案では、日本が1990年代に入り英国やイタリアやデンマークから輸入した肉骨粉について、「非常に高度の感染リスクがあった」と指摘しています。またWHO専門家会合の勧告についても詳細に記されています。
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/eisei/bse/dai2bsegiji.pdf
この議事録を見て思うのは、どうしてこれまでこれらの指摘や勧告が対策の形で日本で結実しなかったのかということです。十分な情報開示と対策が伴っていれば、混乱をここまで大きくすることはなかったのではないでしょうか?
12月17日の予算委員会審議での議論の経過から判断しても、この問題で判断のもととなる正しい情報が政府で共有されているのだろうかと不思議でなりません。問題が顕在化してからも省庁間の連携がちぐはぐで、殊に安全宣言を出してからの「対応のぶれ」と「情報開示の不十分さ」は、さらに国民の不安を増大させています。この予算委員会でもBSEのこれまでの検査で、(90年代半ば当時は検査官の感覚によって肉骨粉が飼料に含まれているか検査をしていたこと、その後導入された検査も100%肉骨粉を排除できない検査であったことなどが明らかにされました。)国民の不安を一掃するために積極的に情報開示をするというより、証拠を突きつけられてしぶしぶ認めるという「官僚シンジケート」独特の悪弊を見せつけられた思いでした。国民に与えた影響、農家や食肉関係の仕事で生計を営む皆さんの窮状ぶりを考えると怒りでいっぱいです。
「EUにおける牛海綿状脳症の拡大を軽視し、国内上陸を水際で防止できなかった、政府の責任は極めて重大であると言わざるを得ない」とは大臣自らの弁です。安全宣言以後に限定しても政府の対応は後手後手です。「関係省庁が明確な責任分担のもと緊密に連携し、牛肉および関連製品の安全性確保(感染経路の特定を含む)ならびに関係業界および従事者救済のため、万全の対策と必要な予算確保を図っている」かと問われれば、胸をはっていられるか極めて疑問です。
民主党の牛海綿状脳症問題担当は、筒井ネクスト・キャビネット農林水産担当大臣・対策本部長には羽田特別代表が当たっています。私たちは、いち早く対策本部を設置して広く国民の声を聞き、その実態把握につとめてきました。情報を積極的に開示して国民の信頼を一日も早く回復することが大切だと考えています。牛海綿状脳症発生でダメージを受けている牛の生産農家や、流通、加工業者などへの助成措置、感染のおそれのある牛や肉骨粉などを国が買い付け、焼却することを義務づける措置などを柱とした 「牛海綿状脳症緊急措置法案」(仮称)を準備して次期通常国会で早期成立を目指しています。
正直であることが最大の対策だと思います。政府にしか分からない情報を責任を免れるために秘匿することがあれば、混乱はさらに増大されます。
プリオンという謎のたんぱく質に立ち向かうためには情報を共有して、万全の対策オプションを検討しなければなりません。
徹底した原因究明、万全の検査体制、積極的な情報開示と説明により一刻も早く信頼回復を目指すべきだと考えます。
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