2001年1月19日
原口一博国会通信(65)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU

             政治改革と党議拘束
             国民代表と自由委任

 昨年末に「国会法一部改正案」を提出して20名の提出賛成者があれば自由に法案を提出できる法改正を目指しましたが、厚い慣例の壁に阻まれ実現までには至りませんでした。

 多様な国民意見を、迅速に、しかもダイナミックに反映させるために、このような「慣習」を改革して真の意味での国民政党を目指すことが大切です。市民が主役の開かれた政党を創造する上で何が必要か、党全体としてコンセンサスをはかりながら腰をすえて議論をしていきたいと思います。

 先日の党常任幹事会で承認されたこととして、菅幹事長から党議拘束の検討チームをつくるように指示がありました。

  政治改革論議の高まりの中で、時にこの数年、国会と政党のあり方についての党議拘束・与党による事前審査の問題が、大切な論点となってきました。

  代表的な近年の動きを下記にあげてみました。


* 1993年民間政治臨調、改革案提言。
 「日本の変革ビジョン」

 総務会決定によって国会審議での議員の拘束をしないこと。
 党議拘束の対象は、党綱領、選挙公約、国会会期冒頭の党首の政策演 説に掲げたものに限り、それ以外は対象外とすべきこと。
 衆参両院にまたがる党議拘束の禁止

 党議拘束の時期は議員の本会議での最終評決にあたっての投票行動の統一のためのものとし委員会審査では、所属議員の活動の自由を保障する。



*1995年−1997年臓器移植法案への対応において党議拘束の緩和、自由投票が検討される。

*1996年民主党が原則として所属議員に党議拘束を行わないという方針を出す。

*1996年第二次橋本内閣の連立政権協議において、議員立法でのクロス・ボーディングの検討が合意される。

*土井衆議院議長研究会提言で、党議拘束をかける時期を、委員会審査の事後、採決段階に繰り延べることで、国会審議の活性化をはかるべきとする。


 議会の審議における党議拘束の存在は、議員の活動の自由を奪うことにつながり、議員を全国民の代表と位置づける国民代表の原理に抵触する可能性があるとして憲法で明確に否定している国さえもあります。それは、選出母体による議員に対する命令的委任を禁止する「自由委任」が国民代表の理念の柱だからです。例えばドイツ基本法第38条第1項において「議員は、全国民の代表であって、委託及び指示に拘束されることなく、自己の良心のみに従う。」とうたっているのは、この国民代表の理念を基本法に明文化したものと考えることができます。


 ただし、国民代表を自由委任の枠でとらえる場合でも、政党による議員の拘束は、政治的・社会的な事実の問題にとどまる限り、政党が最終的には全国民の利益を目指すものと言い得る以上は、政党に拘束される議員もなお全国民の代表と位置づけることができる」と解釈されてきたことも押さえておかなければなりません。


 憲法論のレベルでは、党議拘束は、政党が議会と国民を連結する媒介機能を営むことをもって、簡単に憲法が規定する国民代表の原理に反するものではないとされてきたわけですが、従来の議論は、その具体的な態様やあり方にまで踏み込むことなく、形式的に憲法との関係を論じるに終わっているという考えに私は賛成です。

 「党議拘束の影響が強すぎる場合は議員は政党・会派の投票マシーンと化し、議会の審議が形式化することとなってしまう。とりわけ我が国の国会では、そのような傾向が顕著に見られ、強すぎる党議拘束が国会審議の形骸化や機能不全の要因の一つとされてきた。」という批判を真摯に受け止め、国会は自らの審議を質の高い開かれたものにしていく普段の努力を払うべきだと考えます。

 私達民主党は、多様な国民の各層の意見を集約し、時代の変化と国民の要請に即応できる国会・政党政治を目指すために菅幹事長のもと「党議拘束に関する検討プロジェクト・チーム」を結成し(座長:細川律夫国対筆頭副委員長、事務局長:原口一博衆議院予算委員会理事)積極的な検討を進めることを決定しました。今後半年を目途に意見集約を行い、党の基本方針としての提言を行いたいと思います。

 なお党議拘束に関する論点を以下の点において検討していく予定である。

(1)党議拘束の現状と課題 *近年の動き、他国との比較

(2)国民代表理念と自由委任


(3)政党政治をどうとらえるか


(4)民主党の目指す政党のあり方・理念


(5)党議拘束の評価とあり方

   選挙公約と党議拘束
   政党政治システムと党議拘束
   多様な民意の反映と議員個人の自律的判断
   国会審議の活性化
   与党による事前審査のあり方・内閣による政治的主導性
   会派と政党のとらえ方
   二院制の持つ意味

(6)党議拘束の主体と対象・造反への対応



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