2001年1月31日
原口一博国会通信(68)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU

                         中小企業会計

                   マクロ政策の失敗と中小会計基準


 「不良債権問題は、大手行の問題でありその中でも特に30社問題が深刻だ。」「建設・不動産という不良債権をたくさん抱えた大手企業の問題は、特に都市の問題であり、都市政策に力点をおけば不良債権問題はかたがつく。」どっかで誰かが言ったような言葉ですが果たしてこれは正しいでしょうか?私は現内閣の金融・経済政策、特にマクロ政策については橋本内閣の反省が活かされていないのではないかという危惧を持っています。

 各金融機関の貸出金・預金のシェアは、1年3月で

    貸出金
       大手行    46
       地方銀行   23 
       第二地銀    8
       信金・信組  15
       農協系     8

    預  金
       大手行    32
       地方銀行   23
       第二地銀    7
       信金・信組  18
       農協系    20


 これを不良債権比率(ネットの不良債権/自己資本+含み損益)でみてみると2000年3月に地方銀行で34.6%第二地銀64.8% (地銀全体40.6%)、大手行31.6%だったものが2001年3月では、地方銀行69.0%、第二地銀105.4%、(地銀全体76.6%)大手行48.1%という数字になっています。


 国会答弁でも明らかなように当局の関心は大手行の不良債権問題に集中しているように見えますが、これでいいだろうか、危機が顕在化する地方の金融情勢の中で塗炭の苦しみを味わっている中小の企業についての政策が万全ではないのではないかと思います。


 民主党税制調査会にも中小企業を守る立場から提言がありました。その提言を受けて私も衆議院予算委員会やネクストキャビネットなどで、様々な問題提起を行ってまいりました。

 予算委員会質疑の中で経済産業大臣と国際会計基準を中小会社にまで求めることは本当に必要なのかという課題を議論してみたいと思います。


  「海外での資金調達、海外企業の合併・吸収。海外への投資・貸付け、海外企業との技術提携などいわゆるファイナンス型市場経済と関係する公開大企業を対象とする国際会計基準を、国際会計の潮流の下に、中小会社にまで適用することに無理はないだろうか。

 むしろ、国際会計の潮流を踏まえつつ、経済合理性と中小会社の会計目的を考慮した会計基準を設定する必要があるのではないだろうか。

 いわゆる証券取引法会計が強く商法会計に影響を及ぼしてきている今日、また貸借対照表又はその要旨のインターネット公開が許容され、自社のホームページで計算公開が始まろうとする中で、中小の会計基準を明確にし、これを周知することは喫緊の課題と考える。」

 日本の現行商法では、大会社会計基準を定め、それを適用除外し軽減するという方法がとられています。国際会計基準が正当で中小会計基準は本来あるべき方法ではないが是認されているとの誤解を与え、資金の貸し手も中小企業への投資リスクを敬遠する傾向があるとさえ言われています。


 イギリスは1997年、FRSSE「小規模事業体に対する財務報告基準」を公表し「小規模事業体に固有の会計ルール」を新に設定しています。また正規の会計基準が一つとされているアメリカでさえ中小会社については中小会社について「GAAP適用領域外の包括的会計処理基準」OCBOAが事実上の基準として適用されています。


 ペイオフを控え、中小企業は貸し剥がし等、厳しい状態にあっている。どのような対策を考えているか

.公開している大企業を対象とした会計基準とは別に、中小企業の実態に即した緩やかな会計基準が必要なのではないか。    

 売掛債権担保融資保証制度のような更なる金融手段を広げ、それに対し財政支援を積極的に行うべきではないか。

 以上の問題意識のもと、予算委員会で質疑をしてみたいと思います。 

      
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