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2001年2月11日 原口一博国会通信(70) DIGITAL SYOKASONJYUKU 不良債権の状況 −経済主体が信用を失う時− 13年9月期における不良債権の状況を金融庁に聞きました。以下の報告を受けました。 (1)金融再生法開示債権 13年9月期末の全国銀行の金融再生法開示債権総額は、36.8兆円であり、13年3月末の33.6兆円に比べると+3.1兆円の増加。これは、主として金融検査マニュアルに基づく第一巡目の検査を受けた銀行を中心に、要管理債権のうち、貸出条件緩和債権が判定基準の厳格化により増加したこと等によるもの。危険・債権・破産公正等債権については、積極的なオフバランス化が行われた一方、債務者の業況悪化等による新規発生が見られたことによる。 (2)リスク債権 13年9月末の全国銀行のリスク管理債権の総額は35.7兆円であり、13年3月末の32.5兆円に比べて+3.2兆円の増加。これは、金融債再生法開示債権の場合と同様、主として、貸出条件緩和債権が判定基準の厳格化により増加したこと等によるもの。延滞債権・破綻先債権については、積極的なオフバランス化が行われた一方、債務者の業況悪化等による新規発生が見られたことから、やや増加。 (3)個別貸倒引当金の状況 13年9月末においては、全国銀行の個別貸倒引当金対象債権(金融再生法開示債権のうち危険債権及び破産更生等債権、リスク管理債権のうち延滞債権及び破綻先債券)は増加したものの、個別貸倒債権の残高は7.1兆円と13年3月期の7.2兆円と比べほぼ横這い。これは個別貸倒引当金対象債権の中でもより効率の引当が必要な破産更正法等債権(破綻先債権)が減少し、相対的に要引当率が低い危険債権(延滞債権)が増加したこと等によるものと考えられる。 (4)不良債権処分損の状況 13年9月期における全国銀行の不良債権処分損(不良債権の処理に伴う損失)は3.0兆円と、前年同期に比べ+0.7兆円の増加。 不良債権処理の原則は (1)問題金融機関の特定⇒(2)責任の所在の明確化⇒(3)金融健全化への努力⇒(4)公的資金の投入⇒(5)金融再生 が基本だと思います。我が国ではこれを真反対に捻じ曲げた対応をしました。住専処理の政治決着の失敗。98年の公的資金投入では、全ての金融機関を護送船団方式で横並びに資本注入した上に、優先株を得た政府は、先送りを続けただけでした。 不良債権問題の最大のポイントは、当局の発表する数字がいわゆる大本営発表で、金融主体同士さえもが互いを信用できないところまで追い込まれてきているという事実です。マクロ政策を誤ったまま、ミクロの不良債権処理に突っ込んだ結果、不良債権は、けた違いに増え、経済主体間の信用喪失が凄まじい勢いで起こっています。 バレーボールのおみあいと同じことが起こっています。互いを信じられなくなった経済主体が、顔を見合わせているうちに信用というボールはコートに落ちてしまっています。 ニューヨークで開催中の世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)は1日、日米欧の三極など世界経済の見通しを議論する討論会を開きました。討論会後、会見したバーグステン所長は日本の金融機関が抱える不良債権の処理の遅れを指摘した上で、「日本はバンクホリデーを宣言、金融システムを一時止めて約半分の金融機関を閉鎖。残った銀行に公的資金を注入するべきだ」と荒療治を提案しました。昨日オタワで開催されたG7でも日本の深刻な状況に世界から懸念が表明されました。 世界の論調をみるとマクロ経済政策で完璧な失敗を続ける政権の早期交代論が噴きあがっています。金融社会主義ともいえる現下の状況を変えるためには、経済にも自由を取り戻す政策を行う政治を登場させるしかありません。 フィナンシャルタイムスは次のように言っています。 「かつて小泉氏は、内閣を改造する意思はない、と宣言した。しかし田中氏を更迭した今、あたかも氏は充分な圧力を加えればこれからも前言を翻していくのではないか、という印象を与えている。氏の9ヶ月に及ぶ任期中、氏の下した一番大きな決断が、内閣の中の最も近い盟友を切る決断であった、ということになる。 小泉氏が今後さらに失速してしまう前に、改革を推し進める機会を逃さないようにしなければならない、という理由がこれでまた一つ増えた。氏は、自身の主任務である経済改革をさらに推し進めなければならない。小泉氏がこれまで用いてきた大袈裟なレトリックとは裏腹に、小泉氏は、いかにデフレを阻止し、パイプ詰まりをおこした銀行システムを浄化し、経済成長にふたたび火をつけるか、という明確な計画を示すことに失敗している。 言い逃れをすることによって支持率を高めることはできない。最近の経済データは、より一層悪化の度合いを深めたものになりつつある。いくばくか残っていた消費、および投資面での自信は、小泉氏がこれ以上将来への道筋を示すことができなければ、完全に蒸発してしまうだろう。(中略)小泉氏は真剣に改革に取り掛かり、敵を強打し始める時期に来ている。でなければ、アジアの他の地域において広がっている印象−つまり本当の改革は経済危機のあとにやってくるというもの−が日本においても広がるだけだ。」 ■ DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録 |
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