2001年4月1日
原口一博国会通信(75)                         DIGITAL SYOKASONJYUKU

     日本がなすべきこと − 一博と仲間達 − sekisan様のご投稿

 私のHPの掲示板で「一博と仲間達」というコーナーがありますが、そこに興味深いご提言が増えてきました。ことにsekisan様のご投稿がこれからの日本の進むべき方向を適確に示していらっしゃると思いましたので、ご本人のご了解をいただいて国会通信として配信させていただきました。

技術と国際政治 投稿者:sekisan

 私の21年半の海外生活の結論としては、日本は新しい技術を中心とした産業を作り出すべきです。私は技術系起業家支援者の勉強会を主宰していますが、自作ロボット産業の育成に関心を持っています。
 現在の技術はブラックボックスです。技術が普通の人々が理解できるものになることで、日本の技術の底上げが期待できます。で、問題なのは、自作ロボットの技術体系を考えることが必要なことです。
 日本は今まで理論構築を欧米に任せてきました。技術の世界で日本が提供してきたのは、テクニックだけです。欧米が提供しているのは、テクノロジー、つまり思想体系なんです。
 テクニックを集めてもテクノロジーにはなりません。私は1970年代から技術移転に関わってきましたが、欧米が根本的な枠組みを作ってしまい、日本がその枠組み内での小さな工夫をするというのがパターンです。
 欧米企業に比較して、日本企業は原理原則を考える能力を訓練していないし、それが大切だということ自体に気がついていないのです。
 日本人は目に見えるモノに対する想像力は高いから、自作ロボットが期待できるのですが、技術を体系化できないと、技術力を政治力にすることができません。前メキシコ大統領Zedilloのような発想をするには、原理原則を考える能力が必要です。

鎖国を終わらせよう 投稿者:sekisan 投稿日:2002/03/02(Sat) 13:58

ある友人は官僚として、日本の科学技術政策作成に関わっていました。私は彼に誘われて、日本の科学技術政策について語り合う民間人と官僚の会に出たことがあります。
 そこで話されていることが、世界的な視野を全然欠いたものだったので、あきれて「何故、日本の将来がどうあるべきなのか、日本が世界に貢献できることは何なのかについて討論しないのか」と意見を述べたことがあります。

 その時、私の友人が「官僚は国民が望むことをやることが使命だ。しかし、日本国民は自分たちがどんな国になりたいのか、世界にどんな貢献をしたいのか、意見を表明していない。官僚の仕事のしようがない」と嘆いていました。
 問題は、その会に出席していたのは、課長クラスのキャリア官僚と大新聞編集委員クラスのジャーナリスト、それにかなり成功している起業家たちだったのですが、私の意見に対しても、友人の嘆きに対しても、全く反応が無かったことです。この人々が理解できなければ、日本の将来は暗いなと、つくづく思いました。
 又、元官僚で現コンサルタントの友人に、「何故、農水省は狂牛病が起こる可能性があるのに、欧州からの肉骨粉輸入を停止しなかったのだろう」と尋ねたところ、「日本は神の国なんだ。他国で起こったことが、日本で起こると、何処の省庁の誰も考えないのさ」と答えました。

官僚だけでなく、企業でも同じです。あるリスク管理の専門家に、「日立で起こったことは、東芝でも起こる可能性が高いと考えるでしょう?」と質問した時、専門家は「いや、日本企業は自社で起こらない限り、他社で起こったことを参考にしたりしません」と言っていました。私の主宰するグループは、世界の様々な国々に住んで働いていた人々が多く、外国に住んでいる人々も数人いますし、外国に頻繁に行って仕事をしている人々も多い。

 そのため、日本の政治や経済、文化、技術について話し合う場合でも、常に米国ではこうだとか、インドでは、エジプトでは、メキシコでは、中国ではとか、日本を世界の一部として考える姿勢を、多くのメンバーが見につけています。また、それぞれが異なる分野の専門家なので、誰が上でもなく、互いの意見を尊重し、耳を傾けています。

 今の日本は本当に危機状態にあるのですが、それは経済よりも、日本人が世界を知らないこと、そのため、日本の立場についても知らないことです。

これは、一般市民だけでなく、政治家も官僚もマスコミと企業人もそうです。多分、庶民のほうが、気がついているかもしれません。

 非常に大勢の日本人が外国で働いたり、学んだり、旅行しています。例え、23日の観光旅行でも、外国に出ることは、日本という檻から出て、別の見方をするきっかけとなります。

エリートにはエリートの使命と義務があります。リーダーは、現在よりも遠くを眺めて歩む者です。セオドア・ルーズベルトはニューヨークの名家に生まれましたが、西部で開拓事業に従事し、戦争の前線で戦い、自分の個人としての勇気と能力を証明しました。

 また、日本と中国の国交がなかった頃、松村、高崎、岡崎という政治家たちは、様々な妨害があったのにも関わらず、個人の信用だけで、長い年月、両国の貿易その他の交流を実現させていたのです。あなたもこれらの先輩に匹敵する、いや、それを超える貢献をする意欲と野望を持って頂きたい。私は世界の様々な国々の様々な業界の様々な人々と付き合ってきました。その結果、人間は自分の利益だけでなく、他人のために役立ちたい、良い仕事をしたいという望みを持っているものだと確信するようになりました。

今の日本は、その人間の良い志を育て伸ばす環境になっていません。エリートが、身を持って挑戦していくことが大事です。特に、世界を理解して頂きたい。忙しいでしょうが、是非、外国に出かけてください。欧米よりも、アジアや中南米、アフリカ、中近東という国々に行ってください。また、科学技術を専門家から学んでくださいね。あなたは細かいことは分からなくても良い。何が重要で、何が重要でないか分かれば良いのです。科学技術の世界は、基本的に尺度が一つです。科学技術者は宗教や文化が異なっても、科学技術については、話し合い、理解しあうことが出来るのです。



      
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