2002年11月1日
原口一博国会通信(91) DIGITAL SYOKASONJYUKU
経済危機突破研究会設立 − 危機感の共有と危機突破 −
「過去の政策の総括がなく、現状認識についても誤ったままでは、日本社会・経済が益々窮地に陥ってしまう。」このような危機意識から若手有志で研究会を設立し、記者会見を行いました。広く内外うったえかけ危機突破のネットワークを構築していきたいと考えています。
「経済危機突破研究会」設立趣意書
日本経済は、深刻な危機に直面している。
しかし、この国の経済政策をリードすべき人々の多くは、危機への対応以前に、現状が危機であるという認識がなく、あるいは、認識があってもそれを認めようとしていない。
不況深刻化とともに増加した自殺者が、4年連続で年間3万人を超えている状況は、戦争にも匹敵する危機である。私たちは、この現状を厳しくかつ明確に認識し、その危機感に基づいて、その突破を目指さなければならない。
昨日発表された「総合デフレ対策」は、当初、不良債権処理を加速するものとされ、私たちも、危機突破に向けて一歩前進することを期待していた。しかし、その当初の方針は、危機から目をそむけようとするいわゆる「抵抗勢力」に骨抜きにされて竜頭蛇尾に終わり、抜本的解決にはほど遠いものとなった。
もはや、黙ってこの状況を見過ごすわけにはいかない。私たちは、この経済危機を突破するため、本日ここに「経済危機突破研究会」を設立する。私たちは、大胆な政策とその優先順位を明確に示し、政府にその実行を迫っていく。危機の状況にあって、政党や立場にこだわることは許されない。今後、幅広く、多くのみなさんに私たちの認識を示し、日本の再生に向けた輪を広げていく決意である。
「経済危機突破研究会」
衆議院議員 枝野幸男 原口一博 古川元久 松本剛明
参議院議員 浅尾慶一郎 福山哲郎 松井孝治
以下がその第一弾「「経済危機突破研究会」の基本的な考え方です。
私たちは、日本経済について、すでに「危機」の状況にあると認識する。
危機を認識できず、あるいは、認識していても認めようとしない人々には、この危機を突破することができない。ゆるやかな沈没という見えにくい「危機」を実感できない人々、改革をおそれて「危機」を直視しない人々、さらには、あきらめの気持ちから「危機」に目をそむける人々。こうした人々に、私たちは強く訴える。
「現状は危機である。しかし、その危機に目をそむけず立ち向かうならば、これを突破できる。」
3つの見えにくい「危機」
1 金融の危機〜バブル型不良債権はまだ隠されている。
金融の現状ついて、「バブルによって生じた不良債権はおおむね処理され、今、問題なのは、不況とデフレによって日々生じている不況・デフレ型の不良債権である。」という見解が幅をきかせている。しかし、破綻したそごう、マイカルなどの不良債権が、破綻直前まで「健全」とされていたことを忘れてはならない。
バブル崩壊から既に10年以上が経過したにもかかわらず、銀行等の責任逃れのために、巨額のバブル型不良債権が、今なお隠され続け、経済全体の足を引っ張っているのである。この処理を先送りし続ける限り、日本経済の再生はありえず、日本経済全体を破綻させかねない「危機」の状態が続くことになる。
2 国民生活の危機〜「自殺者年間3万人」の異常事態。
増加し続ける倒産、失業の数字は、それ自体、異常な数字であるが、さらに、失業者などへの十分な対策が取られずに、4年もの間、自殺者が3万人を超えている。既に失業は「他人事」ではありえず、いつ、自分に、家族に、あるいは友人の身にふりかかってもおかしくない。失業の不安に多くの人々が脅かされる状況は、もはや国民生活の「危機」に他ならない。
3 財政破綻の危機〜財政出動に頼る限り、破綻は必然である。
日本は、世界にも例のない巨額な財政赤字を抱えている。現状の財政構造を継続するだけでも、遠からず、財政赤字を国内的にファイナンスできなくなることは、すでに明確である。一方で、デフレが定着し、さらには、世界的なデフレ傾向が明確になっている中で、財政出動による需要拡大策でこれを克服できるとの考えは、幻想以外のなにものでもない。
それにも関わらず、需給ギャップを財政によって補おうという声があとをたたない現状は、将来の国債暴落など、国家的な財政破綻への「危機」であると言わざるをえない。
危機突破のための緊急政策・3つの柱
1 バブル型不良債権を厳格に査定し、不良銀行の一時国有化を、「事前予告なく」即時断行する。
不良債権処理の加速という方向は正しい。
しかし、処理すべき不良債権は、必ずしも「不良債権」とは分類されていない「隠された」バブル型不良債権であることを、明確にしなければならい。
さらに、処理の加速をアナウンスしながら、ダラダラと議論し、かつ、その断行を先送りしていることは、致命的な誤りである。査定の厳格化をおそれる銀行によって、貸し剥がしや貸し渋りが進んでいくという最悪の事態を防ぐためには、問題銀行を即時に一時国有化しなければならない。
2 ハードランディングをクラッシュ(墜落)にしないため、個人保証付債権の査定を別扱いとする。
中小零細企業の債務には、多くの場合、経営者の個人保証がついている。この場合、保証した経営者は、みずからの生活を守るため、ギリギリまで返済に努力する。こうした債権の多くは、緊急に処理しなければならないバブル型不良債権とは、区別して取り扱うことが合理的である。このことで、中小零細企業へのしわ寄せを防ぐことができる。
また、一時国有化銀行の経営にあたっては、こうした区別を明確に行うとともに、連鎖倒産などのクラッシュ的状況を防ぎ、外資の蹂躙などを起こさせない。
3、デフレスパイラル阻止のため大規模な為替介入で円安を誘導する。
世界的なデフレ傾向の中、需給ギャップを埋めるための財政出動などでデフレを止めることはそもそも不可能であり、デフレとの共存を模索する必要がある。しかし、最悪なデフレスパイラルのような事態は阻止しなければならない。そのために、大規模な為替介入による円安誘導を進める。
私たち「経済危機突破研究会」は、以上の3つの緊急政策を柱に、さらにこれを具体化する。
また、内閣と与党の関係、官僚のポリティカル・アポインティーなど「政策断行のためのシステム」や、「危機脱出後の日本経済のあるべきビジョン」などについても研究を進め、積極的な提言を行い、その実行を政府に強く迫る考えである。
次回会見は、10日後を目安にしています。
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