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2003年9月9日 原口一博国会通信(110) DIGITAL SYOKASONJYUKU 元の切り上げとプラザ合意 適正な為替政策とは 「日本は、1985年のプラザ合意以降、円高の進行にあえいできたではないか?」「中国政府は為替の安定を目標としている。」「日本は、自国の通貨高で苦労したことをどう総括しているのか?」北京や上海での中国側の発言は版を押したようなものでした。 1994年以降、中国は管理変動相場制(実質的なドルペック制)を採用しています。これは、対外収支黒字に伴う元高圧力を中国人民銀行が為替相場に介入することでほぼ完全に固定化する政策です。今回のAPECでも問題になりましたが、対日貿易で2兆三000億円という膨大な黒字があるにもかかわらず、元高・円安という市場メカニズムが全く機能していません。元はドルに連動しているために日米間で円高=ドル安が生じた場合には、それがそのまま円高=元安になってしまいます。(例えば1992年1月と2002年1月と比べてみても実に1.59倍の元安・円高となっています。) 今回の予算委員会派遣で阿南大使や財務省の矢野さんらの協力を得て、私は、この元安が国際為替市場のみならず中国の健全な経済発展そのものにとっても問題であることを説きました。 人民元の問題は国家主権の問題ではないかという問いかけがこれまで何回かなされました。これに対し、為替レートの問題は各国間の通貨換算レートの問題であり国際市場の問題であると答えてきました。しかしこの答えだけでは頑なな姿勢を崩すことはできません。 確かに中国政府が主張するように、日本にとって1985年のプラザ合意は、日本の構造的な輸出超過によってもたらされた産業の二重構造を直撃する深刻な事態をもたらしました。しかし問題なのは、構造的問題が長く続いたために国内の産業体制に矛盾と脆弱さを生んでしまったことであって、弱さの克服に数倍の苦労をしなければならなかったことは、その結果に過ぎません。 2020年にはGDP4倍増を国家目標にする中国が元安を無理に続けることはどだい無理な話です。元安により輸出産業従事者の過大な利得を助け、輸入業者の過小な利得を助長すれば所得格差が開くばかりです。輸出競争力のある沿岸部は「元安バブル」に踊り、内陸部との格差が開けば政治の安定さえも失いかねません。 中南海で朱総理が語ったように「隣人が良くなることは、私たちも良くなること。」です。「隣人が餓え大量の難民が生じれば困るのは隣国だ。」との指摘も正しいと思います。だからこそ私たちは「中国の格差と矛盾」を見逃すわけにはいきません。人口13億を超える巨大な国の構造問題は、国際社会にも大きな影響を与えることが必至です。 日本は貿易収支の黒字と資本収支の赤字が相殺しあっていますが、中国は貿易収支も資本収支も黒字です。元高圧力は弱まるどころか強まるばかりです。WTOに中国が加盟した今日、元を市場メカニズムの自動調整機能に委ねることが経済の持続的発展にとって必要であることを賢明な友人たちが気づき始めていることに期待をかけたいと思います。 中国側の主な会談相手 胡錦涛国家主席 呉邦国全人代常務委員会委員長 唐家?国務院委員 王家瑞中連部長 劉予算工作委員会主任 王景川国家知識産権局長 王戦・上海市発展研究センター主任WTOセンター理事長(全国政策委員) ■ DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録
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