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2004年3月11日 原口一博国会通信(126) DIGITAL SYOKASONJYUKU 構造改革とデフレ対策問題について 改革の遅れと社会的不公正の拡大 民主党予算勉強会で小林慶一郎氏(経済産業研究所研究員)を講師に構造改革問題とデフレについて議論を行いました。小林氏のご示唆は、とても当を得たものでした。以下小林氏のご指摘を踏まえながら考察をして行きたいと思います。 「現在政府が進めている構造改革は、大別して「財政の改革」を始めとする行政部門の改革と民間部門の改革に別けられます。構造改革、その中でも特に財政構造改革については遅々として進まないという批判がありますが、財政改革の難しさは、「財政の危機的状況が実感として(国民も)もてないことでコンセンサスがもてない」ところにあります。国と地方合わせて700兆円の借金と言われても「子どもたちにつけを回すな」と言っても具体的な実感がわきません。主権者が改革の現実的な意味を実感できなければ、改革政策が国民世論の後押しを受けにくいことになります。」 例えば、クリントン政権が発足するころのアメリカは財政赤字と貿易赤字のいわゆる双子の赤字に苦しめられていました。‘91年、’92年政権交代時期に経済は危機的で、 増発されるアメリカ国債に対する危機感から金利が上がる現象が起こっていました。金融危機が起こるのではないかとの不安が国民の間に広がり、自動車・住宅ローン金利上昇が家計に大きな影響を与えてきました。このような生活に根ざした危機感から、待ったなしの財政再建が迫られたとの見方もできます。 他方、日本では、日銀が実質上のゼロ金利政策をとっていますので金利上昇リスクは低く抑えられていて、財政の構造改革が進まない背景となっています。 「不良債権問題に直面した日本は、日銀を中心にゼロ金利政策を行いました。これは、設備投資を増やすために名目金利を下げて需要を刺激しようという側面を持っていました。しかし、そもそも需要不足を景気刺激だけで継続させること自体が難しく、ゼロ金利政策が長期に続くことにより別の副作用が起こってきました。」「それがデフレの継続です。」 名目金利=実質金利+インフレ率(フィッシャーの定義) 日銀が操作できるのは名目金利です。名目金利を下げることで実質金利(企業が直面する設備投資のコスト)を下げようというのですが、これは短期的効果を当て込んだものです。インフレ率は長期的に一定ではないので、長期に亘って別の効果が現れているのではないかと思われます。日本のゼロ金利政策は、10年近く続いていて、これは、インフレ率が十分変わってしまうくらい長い期間です。すなわち、実質金利(経済の中で資本の収益性がどれくらいあるか)が先に決まってしまう現象がおきているのではないでしょうか? 日銀が名目金利をゼロにすれば、実質金利が経済の収益性の要請に従い2、3%になったとすると、フィッシャーの定義に当てはめても明らかなようにインフレ率がマイナスになります。 ゼロ金利政策の長期化が、結果としてデフレの長期化を生むという図式です。 企業や銀行の再生が終わっていない中で、長期に亘って金利政策で景気を刺激し続けようとするとデフレが長期化する皮肉な事態が起こってしまいます。 私たちは、ペイオフ解禁に向けて新しい資本注入制度が必要です。民主党金融再生ファイナルプランを法案化して国会に再提出する用意を整えました。私たち政策責任者の課題は、「金利が正常化する環境をどう形成していくか?」というところにあると言っても過言ではありません。 改革が遅れると何が起こるか洞察することが必要です。 財政再建の困難化、長期化は、国民、特に弱者に厳しい結果になります。増税、行政サービス低下、インフレ率の生活に与える影響が拡大していきます。 マクロ経済学者の中には、財政再建問題を重要視すべきでないとの指摘があります。政府の借金の対象が国民なので、財政を再建するためには、「税金を取り上げて国民に借金を返せばよく、経済的にはなんの問題もない」というのがその主張の柱のようです。 平等に課税されていて同じ額の償還をうけるということであれば、国民生活に財政の赤字は何の問題もないといっていいでしょう。しかし現実には、貧富の格差、税金のかかる人とかからない人、国債をもっている人といない人との差があります。財政再建が遅れ、国民の中での格差が拡大し、結果として弱者に厳しい結果を生めば、社会の安定は損なわれてしまいます。改革が遅れれば遅れるほど弱者に厳しい改革となるのは、現行政府のそれを見てもある程度うなずける話です。なるべく早い段階で財政再建にむけたコンセンサスをつくることが大切です。 このことは、私たちが民主党予算案で、国債発行額、予算総額を抑え、財政再建に道筋をつけることに力点を置いた理由の一つとなっています。 ■ DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録
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