2004年9月2日
原口一博国会通信(137) DIGITAL SYOKASONJYUKU
平和の島を返せ
日米地位協定改定を何故避けるのか?
普天間米軍ヘリ墜落事故
普天間米軍ヘリ墜落事故に関して、政府は地位協定の改定という言葉を避け、「運用の改善」という言葉を繰り返しています。それは何故でしょうか。
今回の事故では現行地位協定で認められていることさえ守られないことが明らかになりました。静かで平和な島―オキナワを取り戻すために何が必要か、3年前に地位協定改定案をまとめましたが、さらにそれを民主党内で進めて実現にむけていきたいと考えています。
私たちは普天間飛行場返還アクションプログラムとして新たな普天間問題の解決策を提示しました。この飛行場は、1945年4月1日に占領と同時に建設されたもので、太平洋戦争当時、6箇所の日本軍が作った飛行場に加えて8箇所の米軍基地をつくり、本土攻撃に備える目的でつくられたものです。そこにおられた方々は、強制的に排除され、以来半世紀以上もの年月が経ちましたが「平時沖縄に戦時の負担」という構図は変わっていません。
1996年のSACO合意で普天間全面返還が決定したものの、あくまで県内への移転ということで辺野古への移転が優先されて、5-7年という移転期限も昨年で切れています。
「ここで事故がおこらないことが不思議なくらいだ。」と国防長官さえ言うように、周辺部は住宅地が密集した最も危険な飛行場であることが共通の認識になっています。爆音被害も深刻で、飛行回数、騒音は増加の一途です。現在、米軍は第5次基地閉鎖計画を進めています。400を超える基地のうちに100以上を閉鎖しようというものです。普天間は、平成9年で1日当たり64回だったものが、平成14年で一日あたり200回を超える日が続いています。米軍基地閉鎖のあおりが残る基地に過重負担として覆いかぶさっているのです。飛行場でも日本の法律の航空法の適応はありませんし、建設許可も飛行許可も適応されません。子どもたちは生まれてからこの凄まじい爆音に出会います。恐怖に出会います。
最も優先されるべき課題が先送りされています。現政府は、「基地再編へ政府としての基本方針を作成するための時間的猶予」を米国に求めています。基本方針すら持たずに米国と何を交渉していたのでしょうか?
辺野古は希少生物の生息する貴重な海です。普天間基地移転について「基地があるからそこに配備されている。普天間基地というパッケージが移設されるというのではなく、分散されながら移設されるべき。」という伊波宜野湾市長の姿勢を私は支持します。
国民の生命・財産を守り、日本の独立を維持するのは全ての政治家のつとめです。
地位協定が一般国際法の例外規定であり、冷戦構造の中の特異な事案であること。平時に外国軍が駐留するというのは通常考えられないことをもう一度思い返す必要があります。
主権と主権とのぶつかり合いを調整しようと言うのが地位協定だとすれば、日米同盟の重要性に対して「戦略的対話」には大きな課題を残しています。
1993年のボン補足協定改正による主な改善点は、53条で施設区域の使用に当たってはドイツの法令を適応し、立ち入り権についても事前通知で入っていくことができるとした点です。日米地位協定第3条では、米側の同意が必要なのに対してドイツは通知でよいことになっていますし、ドイツは環境法を適応するのに対して、日米地位協定では環境に関する規定はありません。起訴前の身柄の移動についてもボン地位協定では、「逮捕が派遣国当局によって行われた場合も引き渡されなければならない。」とされています。
ドイツは外国駐留軍が前面展開した経緯があり、適応除外があります。ボン地位協定「本協定及び他の国際協定に特段の定めがない限り国内法の適応」と明記されています。ところが、最近米議会の目にふれる地位協定は占領軍として排他的管轄権を明記したものです。
日米を変えれば米韓に波及し、米韓を変えれば世界中に波及する。だから目立たないように運用改善で実をとるというのが現日本政府のスタンスではないでしょうか。
外国軍駐留は例外中の例外であり、国内法の法令順守義務の大原則を前面にだした地位協定改正が求められます。
日米同盟が重要であればあるほど日米パートナーシップにおける明確な規定が必要です。このような事故が再び起これば、それは日米同盟の根幹をも揺るがしかねない事態へと発展しかねません。「従属国保守」から導き出される結果を沖縄が受忍しなければならない道理はありません。
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