2004年9月15日
原口一博国会通信(139) DIGITAL SYOKASONJYUKU
日露関係について
ウラジオストクの国会議員の卵たち
安保研のメンバーによって9月初旬2004年サハリン・フォーラムが開かれました。日露の懸案の課題である領土問題と平和条約、経済協力や文化交流なでを積極的に議論するものです。私も参加予定でしたが、次の週にウラジオストクを平沢代議士とともに訪問しました。国会議員の卵ともいうべき州議会の若手議員と日露特に沿岸地域との経済発展や交流を話し合うためです。
まず領土問題ですが、これは国際法と正義に基づいて決着をつけるべき問題です。来年で日露友好修好条約150周年を迎えますが、まさに150年前の歴史的事実をみてもその後の経緯をみても北方4島が我が国固有の領土であることは論を待ちません。領土問題を棚上げにしたり、平和条約を結ぶ努力を怠ることは、けして許されません。
経済協力の前提が領土問題の解決だという強硬論に私は立ちません。領土問題を解決しながら経済協力を同時に進めることは可能ですし、望ましいことです。現在、わが国は、サハリン1、サハリン2に資金を投入していますが、ロシア側で検討されている太平洋パイプラインは戦略上も地政学上も日本ルートをとることが望ましいことも議論してきました。日露貿易促進機構も6月に日本側が立ち上げたのに対してロシア側はまだですし、投資のルールについてもこれからです。極東大学の法学部長と議論したのも、日露の共有する法意識・共通の規範をそろえる必要を感じたからです。次回、同大学での講演を要請されました。グローバル化する経済の中でルールの競争が競争の本質となっていること、利害を共有する経済圏がより強固な共有の基盤を持つことが経済の強みとなることを主張しました。
新潟や富山から2時間半のウラジオストクですが、まだ様々な課題を残しています。日本製品は、ウラジオよりもモスクワで買うほうが安いことがそれを象徴しています。日露の貿易高は現在、日米の40分の1、日中の20分の1ですが、年率30%で伸びています。ロシア人の日本への好感度も60%を上回る好感度です。ロシアの太平洋艦隊が呉に寄港している真っ最中の訪問でした。ヴィクター級の廃止された原子力潜水艦の解体に日本が力を入れて協力していますが、これらのことは冷戦期には考えられないことでした。文化交流から安全保障まで強い絆が築かれつつあるのです。
しかし、密漁や密輸といった問題も深刻です。ポートクリアランスの問題についてもぎろんしましたが、日露の両岸地域に影を落として経済の足を引っ張っているのは闇の勢力の存在です。開かれた投資環境と公正なルールこそが、お互いを発展させる基礎であることを確認しあいました。近い将来、ロシア連邦の中核を構成するだろう若い州議会議員たちは、弁護士であったり検事であったりという肩書きを持っています。法と正義に基づく交渉が進むパートナーです。
彼らが漏らすのは領土の法的性格です。日本の領土返還に足さなければならないのは長期的戦略とそれを実行できるプロジェクトチームの存在です。安保研の袴田教授のご指摘とおり、日露間の領土問題の解決は戦後確定した国境の見直しではありません。「いったん決定した国境を変更すると他の国にも影響する」という一部のロシア人がいますが、少し歴史を勉強すれば理解できることです。法的にも明白なことが何故実行できないか。それは、ロシア側の国民と政治を説得する言葉と努力に不足があるからです。モスクワでもどこででも堂々と国民に語りかける機会をつくる必要があります。私も領土問題の解決に全力を上げたいと思います。
民営化の陰の部分についても議論しました。旧ソ連時代のホテルを日本円にして300万円で購入したという州議会議員もいました。まだ闇の経済から完全脱却とまでにはいかないようだとの認識を示す人もいました。
丁度会談をしているときに、北オセチアの事件を受けてプーチン大統領が国家体制の整備を発表しました。国会議員は全員モスクワに召集されています。これまで選挙で選ばれていた州知事も大統領の指名にして、州議会がそれを承認するという形です。何故、テロを防ぎ得なかったか。どうしてこんなにたくさんの人命を犠牲にしてしまったのか、検証が始まっています。ロシア内の中央と地方の政治の力学も大きく変動しています。その中で未来のロシアを背負う有力な若者が確実に力をつけています。自由な社会を目指して多くの一致点を見出しました。
11月にはモロゾフ氏が来日するようです。さらなる絆を深めたいと思います。
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