![]()
|
|
|
|
2004年9月24日 原口一博国会通信(142) DIGITAL SYOKASONJYUKU 国連は成立後まもなく60年を迎えますが、1995年決議で死文化したとはいえ、国連憲章にはまだ旧敵国条項が残りっています。P5といわれる安保理常任理事国は、第二次世界大戦の戦勝国です。これらは、拒否権を有するとともに、ともに核の保有国であり、武器の輸出国です。 冷戦後の新たな状況に対応するためには、強く効果的な国連が必要です。現在 、アナン国連事務総長のもと16人の有識者からなる「ハイレベル委員会」が改革案をまとめており12月には大胆な改革案が提示されるものと期待しています。 国連加盟国は現在191ですが、これは発足当時の約4倍の数です。「国連システム全体の改革が必要。改革の核は安保理改革。安保理が国際社会の最大限の協力、参加を得ていくためには、安保理の代表性の強化と共に、国際の平和と安全に主要な役割を果たす意思・能力のある国が常に安保理の意思決定過程に参加する必要あり。そのため先進国・途上国を新たに加えた形で常任・非常任理事国双方の拡大が必要。」という政府の見解を私は支持します。識者の一部に準常任理事国的なものをつくり、そこに日本も加わればよいではないかという意見がありますが、私は反対です。非常任理事国は、地域での持ち回り的性格を帯びています。日本が常に意思決定に加わることが大切で、準常任理事国では、現実的に連続して選出されることは難しく、問題を解決したことになりません。 国連改革に関する伯・独・印・日首脳会合において共同声明が発表されました。日本、ブラジル、インド及びドイツが拡大された安保理における常任理事国としての正統な候補であることを相互に支持しあいました。またアフリカが安保理の常任理事国として代表されるべきとの認識も示しました。 国内には、憲法改正が日本の安保理入りへの条件であるとの論もありますが、私は憲法改正と安保理問題を結びつけて考える立場をとりません。国連安保理といえば、国連憲章51条による戦争にお墨付きを与える組織であるかのような誤解があります。第二次世界大戦後、世界は戦争の違法化の歴史を歩んできました。国連憲章でも武力行使は、極めて例外であり限定されていることを忘れてはなりません。近年の安保理決議の内容を追ってみればそれはより明らかです。東チィモールやハイチのように、選挙監視や国づくりを支える活動、人道復興支援活動やPKOなど、武力行使以外の活動を支える意思決定が圧倒的多数です。 これまで日本が国際社会で果たしてきた役割を考えても、これから期待される責務を考えても、日本が国連常任理事国になることを妨げる理由はどこにもありません。あの悲惨な戦争を経験した知恵が生み出した「世界で唯一の共通の平和のフォーラム」、それが国連です。その意思決定に常に加わると言うのは、これまで数々の国際的役割を負ってきた日本の権利であり責務です。国連での発言権をはじめとする権限を確保することは、我が国の国益にも合致します。 「平和は武力のみを通じて達成することができないというのが我々の信念。この信念に基づき、日本は積極的かつ独自の役割を果たしている。」小泉総理の国連総会一般討論演説の骨子にあるこの文章は意味が良く伝わりません。ブッシュ政権に配慮しすぎて「武力行使によって達成される平和」を頭に置き過ぎているのではないでしょうか。「平和は武力行使によって達成されることはない。」「平和は武力行使によって達成されることは少ない。」という言い方と比べてみれば、現政府の姿勢が良くわかります。 カートマンさんとの会談でも触れましたが、「テロの恐怖との戦い」に武力行使は、ほとんど無力です。自由と人間の尊厳を侵されたとしてテロをしかけてくるものばかりではありません。寧ろ膨大な利益のためにテロリスト集団が活動を行っていることの方が一般的です。しかし、だからこそ、単独行動主義的な武力行使は、益々問題を複雑にさせてしまいます。法と正義に対する挑戦は、最後まで法の枠組みの中で処理されるべきです。 国連憲章の改正手続きは2段階になっています。改正案は、全加盟国の3分の2の賛成をもって成立しますが、その発効のためには、P5を含む全加盟国の3分の2が国内的批准手続きを完了することが要件です。このP5の中では米国をはじめ4ヶ国は日本の常任理事国入りに賛成の意思表示をしています。中国だけが慎重な姿勢をとっていますが、公式に反対を表明したと私は認識していません。 9月21日中国外交部定例記者会見の内容を見ると「安保理が発展途上国の代表性を優先して取り扱うこと」を求めています。中国はこれまで発展途上国の代表としての自負を持って行動してきました。「国連は取締役会ではなく、拠出金の額の多少によって構成を決定されるものではない。我々は、日本が国際社会において更なる役割を果たすことを希望していることに理解をしめしている。歴史問題については、我々は、国際問題に責任を負う大国は、必ず自己の歴史に関わる問題にはっきりとした認識をもたなければならないと考える。」とも述べています。 常任理事国にはなにより人権についての確かな認識が必要です。自由と人間の尊厳を守るために、私たちは何をなすべきか。国際舞台でも熾烈な議論が繰り広がられています。日本の持てる資源を「真の外交」に大胆に投入すべきと考えます。 ■ DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録
|
|
|
|