2005年2月5日
原口一博国会通信(147)                     DIGITAL SYOKASONJYUKU

              新しい通信の地平
           ブロードバンドをめぐるコンテンツの重要性

 光ファイバーのブロードバンドサービスが、5年たってようやく普及期に入ってきました。世界初の100メガを提供したUSENの一木社長、加茂副社長から私が座長をつとめる電気通信政策研究会で通信放送事業の現状と中期戦略についてお話をいただきました。

 全国で約3000本あるNTT・電力のうちUSENは、720万本借りて世界に先駆けて商用FTTHサービス開始しました。通信インフラからコンテンツまで提供するという垂直的統合ビジネスモデルを展開しています。

 有線放送事業の経験を生かしカラオケ事業についても二分するケアを持ち、洋画輸入企業では最大のGAGAを買収、AVEXと連携して音楽を中心としたデジタルコンテンツの流通を検討しています。

 ブロードバンド事業に入るきっかけは、現在、持っている同軸資産が逆に同軸負債に変わるのではないかという危機意識でした。FTTHに特化してブロードバンドサ−ビスを行うとともに、単に通信インフラだけでなくコンテンツ優位性を中心にすえた戦略を展開しています。全国4000万世帯のうち密集度の高い首都圏の860万世帯に焦点をあてた、効率性を重視したエリア展開しています。

 「2010年までに「通信」の価値は著しく縮小し、一時は14.6兆円まで拡大した市場も最大リスク10.2兆円まで縮小する。」という見通しを示していただきました。

 すなわち、ブロ−ドバンドの進展の中で、NTTの固定電話の光IP化が進み、電話基本料金の解約・IP電話による通話料減が進み携帯電話の定額化が起こり、データ通信が増大しても課金は増えないという予想です。

 逆に、コンテンツ市場は、2010年で12.6兆円が14.7兆円まで拡大する成長市場ととらえられています。縮小するインフラ市場ではなく、拡大するコンテンツ市場に集中する戦略を「沈むタイタニックの中で椅子を並び替えるのはおろかなことだ。」という言葉で端的に現していただきました。

 変化をリスクではなくチャンスととらえ、メディア利用時間の推移など適切なマーケッティングをもとに、ブロードバンド放送局を模索しています。コンテンツ市場では、最大で4兆円くらいの全く新しい市場が生まれることが予測されます。インフラ投資を続けていくよりもブロードバンドが普及しているところに新しいサービスをという戦略のもと、テレビ的な放送局ではなく新しいカテゴリーで新たなメディアを作るというものです。   放送・オンデマンド・ダウンロードというサービスの多様化の中で、少しでも自由度の効くものをもっていて新たなフォーマットを模索しようというものです。

 認知・興味・動機づけ・購買という消費の基礎構造のなかで、インターネットの持つ双方向性を利用して新聞やテレビがとらえられなかった価値を作り出していくという戦略をお聞きしてたいへん触発されました。

 官製経済の規制から遠い所で、しかも「古く遅い手」からも遠い所で、新たな挑戦を試みている若い力に出会うことができました。


    DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録