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2005年8月5日 原口一博国会通信(159) DIGITAL SYOKASONJYUKU 小泉郵政民営化法案を廃案に 国民の大切なインフラである郵政事業を守れ 第162通常国会も会期を目前に控えて、参議院で郵政法案が否決されれば解散総選挙をすると声高に叫ぶ首相の異様さと与党内の混乱ばかりが目立つ展開となっています。 郵政事業における国民の権利とは何か?中央政府は、その権利をどのようにして保障していくのかという点が最も大切な論点でしたが、郵政民営化ありきの乱暴な答弁と辻褄さえもあわない数字が提示されたのみで、質問者の時間を浪費させる意図さえ、感じられる末期的な状況でした。 私は、郵政民営化に関する特別委員会次席理事として60回の理事会・理事懇談会、109時間にのぼる衆議院審議の中で、一貫して、国民の権利を保障する政治の立場から、郵政3事業の一体経営・郵政公社を発展させることを主張し続けました。中間的総括質疑、総括質疑において小泉総理と質疑を交わしましたが、郵政事業における国の責務、特に簡易保険事業・郵便保険事業における責任を放棄しているといわざるを得ない答弁でした。 唐津市等での地方公聴会の最中に「政府与党における修正」が行われましたが、この修正案についても文面を変えただけで法的には何ら変わるものではないことを首相自身が私に答弁をし、37名もの自民党議員が反対に回り、衆議院ではわずか5票差の可決となりました。 そもそも銀行業や保険業を核に持つ巨大な民間企業を誕生させることが、どうして構造改革になるのでしょうか?民営化の本旨は、市場にける自由な競争によるサービスの向上であるはずです。独占禁止法抵触の問題も取り上げましたが、天下りや官製談合、特殊法人の税の無駄使いこそを正すべきなのに、経営形態の変化を構造改革の本丸と位置付けるのはピント外れもいいところです。 民営化による期待した効果を説明できないとわかると、公社のジリ貧論が政府の中からいわれだしました。しかし、質疑の中でも明らかなように、3事業を解体した後の民営化会社のほうが、郵政公社をこのまま存続させた時よりも経営が苦しくなることがわかりました。政府から出された郵政民営化の骨格経営試算は、楽観的な数字ばかりの羅列で委員会では失笑さえおこりました。 全国で527の自治体が、郵便局以外の金融機関を持っていません。設置基準や答弁において過疎地の郵便局は減らさないということを担保していると政府は主張していますが、財政面の裏づけは示されていません。郵便事業は、現在でも5000億円を超える債務超過を抱えています。郵貯や簡保の事業収益で郵便事業の赤字を埋めている状態です。政府案どおりに、簡保事業・郵貯事業を段階的に縮小するのであれば、別途財源が必要となります。郵政事業を維持するために、国民に税負担をお願いすることとなることをはっきり言うべきではないでしょうか?地域貢献基金や社会貢献基金で郵便局ネットワークを維持できないことは、与党議員の質問でも明らかです。 「8000円の年金を受け取りに5000円も車代を払えません。」金融の社会権さえ脅かされようとしていることを、国民はどれだけご存知でしょうか? 郵政事業における国民の権利について、私は総理に何回も問いただしました。 それぞれの法案を廃止し、民営化するということは何を意味するのでしょうか?法案に明記されている「国民の経済生活の安定と福祉の増進」という政策目的を国は果たさないという意味なのでしょうか?郵貯・簡保は貴重な国民のインフラであり、「国民の権利」ではないのでしょうか? 簡易保険事業は一般の保険事業とは全く異なる目的・ビジネスモデルで運用されています。 異なるビジネスモデルもとに、サービスを一つの民営化会社で提供できるわけがありません。「国の郵貯・簡保事業における責務を放棄するつもりか?」と質しました。 総理のお答えは、「民営化会社が行う。」というものでした。民営化会社は、郵貯・簡保事業を行う義務を負っているわけではありません。 日本郵政公社生田総裁に質したシステム問題でも4200万ステップスかかるシステム全体の改革を1700万ステップスで暫定対応することの問題点を総裁自身が述べられました。巨大な民営化会社の安心は、システムそのものにもあるはずです。郵政民営化ありきで急いだことで、肝心の安心や安全が置き去りにされていることが明らかになりました。 郵政事業で働くたちの権利も置き去りにされています。これは大問題です。政府は、特定郵便局の局長や組合の方々に応援されているから反対しているのだと矮小化しようとしたがります。働く人たちの権利を守ることを蔑ろにするうしろめたさを、改革の大義で隠そうとしても虚しいだけです。そもそも国民全体の郵政事業にける権利を侵害しているからこそ、政党や立場を超えて多くの議員が反対しているからこそ、否決の公算がたかまっているのではないでしょうか。 特別送達についても質問をしましたが、本来、公務員でなければできないものをこの法案では、無理やり民間にさせてしまおうとしています。郵便局には公的なサービスが法律により義務づけられており、それは民事訴訟法第99条の特別送達、民法施行法第5条の内容証明、公職選挙法第142条の選挙郵便、第183条の引受け時刻証明、特許法19条の引受け時刻証明、道路交通法施行令の配達証明、地方公共団体の公的な証明証書交付事務など、法執行や選挙、自治、知的財産にとっての重要な規定です。 各省協議も不十分なままに、そこのけそこのけ民営化が通るという手法で法案化したために、不備だらけです。これで、国民に対する責任は果たせるでしょうか? 民主党は対案を出せという方がおられます。私は、一任をもらい、郵政公社を発展させるための対案を作りました。しかし、本会議採決一本に勝負を絞り、提出せず、幻の対案となりました。 もし民主党が対案を出したら、欠席して廃案にしようとする人まで野党案廃案のために出席しなければならない事態も考えられました。結果は参議院の否決にむけて一定のステップになったと思います。 小泉郵政民営化の先にあるのは、国会のチェックの効かない巨大な独占・民業圧迫か、もしくは、甘い見通しと破綻した論理による、郵政事業そのものの劣化の危険です。 今、行うべきは「依存と分配の政治支配」により捻じ曲げられ私物化された官に真の公を取り戻すことです。国民生活の安定を図り、国民の福祉を増進することに大きな役割を果たし、安全・安心・安定の基礎を作ってきた郵政事業を、公社発足後2年で民営化しなければいけない理由はどこにもありません。拙速を避け、腰を落ち着けた検討がもっとも求められています。 郵政民営化は改革の本丸では断じてなく、年金や雇用、財政の構造改革・規制改革こそが、より優先して取り組むべき重要な内政課題であると私は考えています。 民主党マニュフェストでも社会保障や医療、人権・福祉や教育に重点をあてたプログラムを積極的に提示して行きたいと思います。 国民の大切なインフラを守るために、どうぞ立ち上がってください。 自分の預金口座からいつのまにかお金が勝手に引き出され、それが税金の請求書に換わっていたら、皆さん、怒られると思います。今回の郵政民営化法案は、国の責務を放棄し、国民の権利を奪うものです。甘いビジネスモデルが破綻すれば、そのツケは税金で国民が払わされることになります。 ■ DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録
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