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| 2005年8月7日 原口一博国会通信(162) DIGITAL SYOKASONJYUKU 6者協議のテーブルを壊すな 北朝鮮の核開発放棄と拉致問題の解決 北京で行われている6者協議において、核の完全廃棄を求める米国と核の平和利用を認めさせたいとする北朝鮮との間で、合意文書の成立が危ぶまれています。北東アジアのおける安全の枠組みである6者協議のテーブルは、絶対に崩してはなりません。しかし、その交渉が外交官とはいえ、官僚レベルだけで行われているところに平和創造の政治の不在を危惧いたします。 拉致問題についての協議はおろか、言及さえもなく、最も重要な人権という価値について協議が行われなかったことは、日本外交の資源や人材も含めて大きな総括を迫る事実と考えています。 少し、この間の北朝鮮の動きについてまとめておこうと思います。特に、北朝鮮の専軍政治と経済改革について、どのようにすれば「BAD PATH」を北朝鮮が選択しないのか、体制崩壊でしか拉致問題の解決は、ありえないのか?考察の材料を「北朝鮮に拉致をされた人々を早期に救出するシンポジウム」における私の考察メモからお伝えしたいと思います。 * **考察メモ ***** 北朝鮮の現状について 金正日体制の実情をどのように評価するか。 1995年専軍政治を宣言した後、300万人が餓死との情報。 96年〜98年大飢饉 2002年7月1日 経済改善措置 (専軍政治との決別・改革開放への傾斜かと歓迎するものの、その後の動きは) 3年間の条件付の試験。経済失政と軍の不満。実務者集団である内閣が労働党と結んで改革を進めようとするも、利権撤廃を巡り分裂。軍部の巻き返し。決断先送りの農業重視政策を発表。 今年の2月、首相が600万トンの穀物生産目標を掲げる。「外貨部門の総収入の20%を農村支援に回す」という提案。しかし、ここでも外貨をめぐり大きな摩擦が生じた可能性。 確実に言えることは、国民に満足を与えることができない政権は長続きしないということ。 一党独裁の政治体制。 北朝鮮の内政や北朝鮮の指導部内の状況をどのように見るか。北朝鮮の政策決定プロセスはどのようなものか。外交政策には誰が関っているか。 10年以上もの投資不足で基幹産業が大きな打撃。党と軍それに内閣を加えての主導権争いが激化か。縮小再生産による特権と利権の縮小がこれに拍車をかけているとの見方も。 94年米朝枠組み合意後の金日成主席の急死。集団指導体制。主導権争い。 苦渋の選択としての専軍政治宣言を金正日国防委員長がおこなったのか、それとも主導しているのか論が分かれる。 先軍政治にもと軍部は勢力を拡大。 党勢力は「先軍政治の限界」を金正日国防委員長に具申し、金正日体制の生き残りのために方針転換を求めたとされる。その流れが「6者復帰方針」にもつながっているのか? 北朝鮮の最高人民会議は同国最高の主権機関であり、立法権限を行使することになっている(任期5年、代議員数687名、金永南委員長)。だが、実際の権能は不明。 (1)国防委員会(国家主権の最高軍事指導機関・一切の武力を指揮統率) 北朝鮮の経済は、生産手段を国家と共同団体が所有する社会主義的な所有制度と、自力更正路線を標榜する中央集権的な計画経済制度を基にしているが、2002年7月以降、一部に市場経済的手法が導入されつつある。 専軍政治との決別、改革開放路線への傾斜かと期待するが、第一次小泉訪朝後、瀬戸際外交に戻った印象を拭えない。 外交関係を有する国は154ヶ国(うち南北双方が外交関係を有する国は150ヶ国) 北朝鮮の経済状況・北朝鮮の食糧事情などをどのように評価するか。 GDP208億ドル(2004年)(韓国銀行推計)経済成長率 2.2% 一人当たりGDP914ドル(2004年)( 〃 ) (1)輸出 10.2億ドル(2004年)(韓国銀行推計) 国民経済は疲弊。2002年の経済改革も頓挫か?。インフラ・工業への投資不足 から工業生産施設は、老朽化が進みつつある。 国連食糧農業機関(FAO)及び世界食糧計画(WFP)によれば、2004年11月〜2005年10月における穀物生産量は423.5万トンと見込まれ、穀物必要量を約513.2万トンとすれば、約89.7万トンの穀物輸入が必要との見通し(商業輸入及び国際社会からの支援を加味してもなお、約49.7万トンの穀物が不足)。2003年11月〜2004年10月(約94万トンの穀物輸入を要した)よりは改善しているものの、依然として厳しい食糧事情。 北朝鮮の外貨準備・貿易。対外経済関係について。 1)貿易額(財務省通関統計)
(2)主要品目(2004年) 02年の北朝鮮の総貿易額(輸出と輸入の合計)は22.6億米ドルで、これは韓国の3146億米ドルの1/140、日本の6759億米ドル(8565億米ドル2004年) の1/300だ(『週刊ダイヤモンド』 衆議院拉致対策特別委員会での松原代議士の送金についての質疑 北朝鮮に向けての送金についてであります。北朝鮮に向けての送金は、これは現在どれぐらいの規模の送金が行われているかをお伺いいたします。 ○山本副大臣 大体、平成十二年度で三十一件、四億四千五百万円、平成十三年度で二十五件、五億八千七百万円、平成十四年度で二十八件、三億七千七百万円でございます。
日本から北朝鮮への送金は年間で約二億ドルから六億ドルに上るとされているというふうなデータもあるわけでありますが、今おっしゃった中で、いわゆる支払い報告書の提出義務が課されている送金 外国為替等の法律の十九条三項に、百万円相当額を超える現金等の携帯輸出につきましては届け出義務を課す 消費者物価上昇率:N.A. 外貨準備高:N.A 対外債務残高(2000年末):125億ドル □ GNPの産業別構成(2002年推定) 農林水産業:30.2% 鉱工業:25.8% 建設業:8.0% サービス業:31.6% (出所:「THE WORLD 2004」((財)世界経済情報サービス(ワイス))) 金正日体制はどのくらい続くか。後継者は誰か。金正日体制が崩壊するとすれば、どのようなシナリオが有りうるか。クーデターは起きないのか。 明確に二つのシナリオが想定される。それは、金正日国防委員長が専軍政治体制を維持強化し、瀬戸際外交を今後も続けるのか、それとも核を放棄し経済改革と平和路線に特化するのかにかかっている。前者の場合、孤立と一層の経済困窮を免れえず、政権は空中分解することだろう。後者のシナリオの場合、1994年以降、激しくなった党と軍部の軋轢は厳しいかもしれない。既得権益を侵された軍による不満も無視できないであろう。コントロールできるのは、米国による軍事行使なのか、自国の軍による反乱なのか、冷静に考えれば理解できることではないか? 後継者争いは、混沌。それは、党・軍・内閣が、縮小する利権をめぐり複雑で熾烈な争いを繰り広げていることが背景に。本格的崩壊過程に入ったとする見方も。 専軍政治 「軍事先行の原則に立って革命と建設に提起されるすべての問題を解決し、軍隊を革命の柱として前面に出し、社会主義偉業全般を推進する領導方式」と説明されている。 北朝鮮の核開発・ミサイル開発について 核開発・ミサイル開発の目的・ねらいをどのように見るか。 朝鮮戦争の痛烈な打撃の記憶、北朝鮮の体制維持のためには、困難な状況を対外脅威で説明しなければならない。専軍政治の行き着く先は、「強硬には超強硬」で対応するというチキンゲーム。核開発を通して技術力の高さを誇ることもできるし、それを梃子に様々な援助を引き出すこともできるし、テロリストに高く売ることもできる。 分断国家であるために、南の政権に恐怖を与え、西側諸国を分断することもできる。 それを主導しているのは、誰か?主席なのか? 核開発の実情をどのように考えるか。北朝鮮は核兵器を保有しているか。また、北朝鮮はウラン、プルトニウムの核兵器を共に増加させつつあるか。 北朝鮮は、ウラン濃縮計画の存在を認め、そのような計画を持つ権利があることを02年10月ケリーに対して主張した。この時点で枠組み合意は崩壊し、米国は重油の提供を打ち切った。北朝鮮はIAEA査察官を締め出し、施設内に設置されていた監視用機器を取り外した。03年1月に北朝鮮はNPTから脱退を表明、IAEA査察官を国外に追い出し枠組み合意は無効であると宣言した。その後の核保有宣言を見ても、言葉どおり核保有をしているとみた方が現実的ではないかと思う。 寧辺の施設から無くなっている8千本の使用済み核燃料棒からプルトニウムを抽出しているという情報が真実であるならば、既に6個から8個のプルトニウム型核兵器を保有していると考えることができるし、ウラン濃縮についても濃縮ウランの前駆物質を日常的に生産している可能性も。高速遠心分離機で濃縮ウランを作る計画を持っていて、これを進めていることは確実ではないかとの見方も。 北朝鮮は核実験を行う可能性はあるか。 本当に核を保有しているのならば、その信頼性を確保するために核実験は不可欠である。 6者協議が不調に終われば、北朝鮮が核実験に踏み切るおそれが高まる。自らの安全を核兵器によって守るという「恐怖の連鎖」を止められなくなるおそれも出てくる。 北朝鮮は核兵器計画をテロなどに引き渡す可能性はあるか。 外貨準備や投資の資金不足は深刻であり、憂慮すべき事態にある。 リビアに北朝鮮が高濃縮ウランを売り渡したとするレポートがある。 核分裂物質を直接であれ、他国経由であれ、売り渡さないという保証はどこにもない。 拉致問題に代表されるように北朝鮮そのものがテロを行っており、ネットワーク型の非対称脅威であるテロリストと接点を持たないと確信を持つ理由は希薄。 北朝鮮のミサイル開発と現状について問う。 レオン・ラポート在韓米軍司令官は2005年3月8日、上院軍事委員会で、北朝鮮の戦力に関して次のような証言している。 北朝鮮がミサイル実験を行う可能性はあるか。 可能性は大である。 北朝鮮が5月頃にも短距離ミサイル発射を行ったが、その背景は何か。 5月1日、北朝鮮が短距離ミサイルを日本海に向け発射した、発射されたミサイルの種類によって、発射の意図が大きく分かれる。当初「シルクワーム改良型」との観測が支配的だったが、その後徐々に「それ以外のミサイル」であるとの観測が増えてきた。 シルクワームは、「対艦ミサイル型」が一般的で、これは、日本に対する直接的な脅威ではない。ただ、「対地攻撃型」モデルを開発している可能性がある。米ローレス国防副次官の「北朝鮮が第三のカテゴリーのミサイル開発も進めている」という発言も、この可能性を示唆していると考えることもできる。 北朝鮮の最近の軍事活動には何か特徴はあるか。 韓国と北朝鮮は2004年将官級軍事会談を開き、偶発的な軍事衝突を避けるため、双方の警備艦艇が共同周波数を利用するなど6項目の衝突防止策に合意し、軍事境界線地域における拡声機などの宣伝活動を中止することと、宣伝の使った機器も除去することで合意した。これにともない、南北双方が軍事境界線地域において実施していた拡声機放送が中止された。韓国側は「自由の声放送」という名で1962年以来続けて来た拡声機放送を終了させた。 ■ DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録
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