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2005年8月9日 原口一博国会通信(166) DIGITAL SYOKASONJYUKU 小泉総理の疑問に答えて 民主党の目指す経済司法の大改革 郵政民営化特別委員会でも直接、総理に何回もお話したので、何故、小泉郵政民営化法案に反対なのかご理解されていると思っていましたが、戦略上、わざと知らないふりをされているのかわかりませんが、議論をこれ以上混乱させることを避けるために、疑問にお答えしたいと思います。 今、必要なのは単なる民営化ではない 中央政府の役割と公益の再定義が最優先 公の利益を追求するのに、税を集め、それをもとに行政を執行する。これがいわゆる公共の原理です。しかし、公共を論じるときに、2つの視点から大きな改革の議論が必要となっています。 一つは、公益の担い手の問題です。市民公益について過去の国会通信で何回も触れてきましたが、公益の担い手は何も官だけでなければならない必要はありません。非営利の公益を担う集団・NPO・NGOが、公益を担う新しい主体として台頭することは、公益におけるチェック・アンド・バランスが生まれ、サービスの向上につながります。仮に民間の営利団体であっても、行政が独占的に行っているものを、民営化することで、効率性が上がり、国民の利益が増大するという分野も多くあります。 官僚社会主義を打ち破り、中央政府に独占されている公益の主体を民間や地方に変えていくという主張は、小泉総理がおっしゃるように、民主党がかねてから言ってきた主張です。 もう一つの視点は、公益の私物化の問題です。官製談合や利権で公益そのものが、私物化されていることは、道路公団発注の橋梁談合問題に象徴されるように、深刻で根深い問題です。私物化された官である道路公団を小泉内閣が断行したように民営化してみたところで、国民の利益は増大しません。民間企業として、国会のチェックも受けずに、これまで以上に堂々と「談合」を行うことさえ危惧されます。 小泉総理は、質疑の中で私に「原口さん、民主党はいつから公務員をそこまで信用するようになったのですか?民間に任せられないというのは、民間を愚弄することではないですか?」という意味の答弁をなさいました。 立法府の議員に対して、公務員を司る行政府の最高責任者が「公務員なんて信用できない。」と国会で公言されることに、非常な驚きを禁じえませんでした。公益の私物化を改め、官製談合等の不正を撤廃する責任を放棄されているわけではないでしょうが、正直申し上げて「総理」のお言葉とは思えませんでした。 私が申し上げたのは、公務員には民間よりも厳しい義務が課されており、規則を外れれば、より厳しい処罰も用意されている事実についてでありました。公務員を厳しく律する責任を総理は負っておられることを忘れないでいただきたいと思います。 郵政民営化議論の中で、一番大事点は、郵政事業における国民の権利であり、中央政府が、その権利を保障するために、どのような責務を負い、何をなすかという点です。経営形態を民営化して、その責務が果たされるというのなら、私たちは反対いたしません。しかし、郵貯・簡保事業にける国の責務は、郵貯法・簡保法廃止により、負わなくなると明確に答弁をされたではありませんか? 3事業一体で行われている現在の公社形態を民営化すれば、公社で存続するよりもコストが膨らむことも審議で明らかになりました。 総理は、民主党が対案を出さなかったことを批判されています。公社が始まって2年足らずで、経営の基礎的数字や将来見通しもそろわないのに、民営化ありきの法案をつくるのは、いかにも乱暴です。詰めた数字もなしに、大幅な組織形態見直しを行えば、混乱とコストが膨らむことはあきらかではありませんか。総理の目の前で求めてきましたので、覚えておられると思いますが、各郵便局の基礎的収支ですら、8年前に提出していただいてから、この4月まで、全く政府は提出しませんでした。 熱も測らず、血液検査もレントゲンもせずに、いきなり手術をする外科医がいるでしょうか?年金でも同じでしたが、政府は、肝心な数字の提出をどうして渋るのでしょうか?対案作成に必要な基礎的数値は、民主党が政権を獲ってから「帳簿」を見なければわからないのではないかと思っています。 数値不足のなかでしたが、それでも私は、郵政公社を発展させるための民主党法案を対案としてまとめて終えていました。今回、廃案一本に焦点を絞ったために幻の対案になったことは私も残念です。 理念なき郵政民営化の先には、多くの悲劇が待っています。災害について、予測に力をいれることで被害を減らす努力がなされています。この法案も被害が既に予測されています。政治家が予測できる国民の「災害」を防がないのは、まさに怠慢で、万死に値します。 設置基準や答弁だけで、郵政事業のネットワークが守れないのは、総理も良くご存知のはずです。郵便事業は、税金で行うから3事業を分解してもいいですかといわれれば、まだわかりは良かったと思います。しかし、それでは、国民の負担が増えるだけで、サービスの向上には結びつきません。 百歩下がって、竹中さんがおっしゃる骨格経営試算どおりに、郵政事業が成功したと仮定します。そこでは、銀行業を中核とする巨大な民が生まれることとなります。総理がおっしゃる民営化の趣旨は、公正な競争によるサービスの向上にあるのではないでしょうか?巨大な民をつくることを目的とされているのでしょうか? 腐った官と同様かそれ以上にコントロールできない巨大な民は悪です。独占禁止法が何故あるのか考えてみれば明らかです。 郵政民営化法案の成否は、本当に総理がおっしゃるように経済構造改革の正念場なのでしょうか?妥協に次ぐ妥協を繰り返しながら、民営化という結論だけを維持した「矛盾だらけの法案」を取りまとめた上、現行郵政事業の維持という「形」にこだわる自民党守旧派と、民営化の「中身」を問題にする民主党とを「十把一絡げ」に経済構造改革阻止勢力と決め付けて解散・総選挙に打って出ています。 「具体的な政策や法案はわからないけど小泉総理のキャラクターを支持する層に繰り返しラーニングプログラムを行う」という郵政民営化広報戦略は国会で大問題になりました。 「素志貫徹のイメージ」だけで、支持をする方々でさえもご自身の生活に照らし合わせてみればどれほど、利益を失っているか気づくのに時間はかからないと思います。 民営化という「形」を作るためだけの小泉内閣の郵政民営化法案の是非は、経済構造改革の正念場ではありません。公営事業の民営化の最大の意義は、競争原理の導入による効率化であり、市場での公正な競争なくして民営化の本当のメリットは期待できません。「形」だけの郵政民営化を行うことより、郵政事業を含む公共セクター全体における公正な競争基盤を確立することが先決です。 「形」だけの民営化では問題が解決しないことは、骨抜きにされた民営化の実施目前で恒常的な談合が発覚した道路公団の例からも明らかです。日本を代表する大企業が軒並み摘発され、公団副総裁までが逮捕される事態に発展したこの談合事件はまさに「氷山の一角」です。その背後に、今なお公共調達全体に談合が蔓延している実態があることは明らかですが、公正取引委員会による独占禁止法の執行力が弱いこともあって、談合構造全体にメスを入れ、解消する目途は全く立っていません。 経済構造改革の正念場は、「形だけの郵政民営化」を焦って実現することでは決してありません。談合などの競争制限がはびこる公共部門全体に、公正な競争の基盤を確立することこそ、真の改革であると思います。 談合を排除し、公正な競争を実現することが先決 政官業の癒着構造を背景にしてきた自民党政権の下では、談合構造を抜本的に是正することは不可能です。道路公団談合でも、摘発された鋼鉄製橋梁以外にもPC橋梁やトンネルについても大手ゼネコンによる談合が行われていると言われていますが、その実態調査や摘発の動きは見られませんし、公共調達全体に蔓延する談合問題に対する抜本的な対策は何一つ打ち出されていません。 また、暴力団を使って談合を強要した上場企業幹部による入札妨害事件が警察に摘発されるなど、談合の一部は暴力団などの反社会的勢力とも結びつきあり、このような談合に対しては、これまでのような公正取引委員会による散発的な摘発だけではなく、捜査機関も協力して構造全体を解明し、抜本的な是正を行うことが不可欠です。 民主党政権は、構造的な談合の事実を解明し、談合を徹底排除して、公正な競争基盤を確立することを経済構造改革の最優先事項と位置づけ、全力を挙げて取り組みます。警察・検察にも談合摘発のための専門機関を設け、公正取引委員会との緊密な連携協力を維持しつつ談合の摘発処罰と実態解明に総力を挙げて取り組むことが求められています。 「建設業も被害者です。談合そのものに関わらないと生活できません。」との声が多数寄せられています。一会社や個人ではどうしようもないくらいの体質の前で、多くの人々が苦しんでいます。 サラリーマン増税の話を持ち出す前に、談合構造を解消し、公共投資の無駄を極力排除し、国民負担を最小限に抑える努力をすべきであるのは当然です。それを徹底して行った後に、税制の抜本的な見直しの議論が可能となります。 企業活動による国民の生命・身体と経済的利益の侵害を防止する制度の確立を 経済社会における法の機能の欠如の問題は談合の問題だけにとどまりません。日本を代表する大企業による、リコール隠し、株式名義虚偽記載などの違法行為の摘発が相次ぎ、原発事故、電車脱線事故などの悲惨な事故が多発、アスベストによる深刻な健康被害が、国民の生活に重大な脅威を与えています。 その背景には、自己責任原則の下での自由な事業活動が保障される一方で、従来の行政指導中心の枠組みに代わって、企業の違法行為をチェックするシステムが整備されていない現実があります。国民の利益を侵害する企業に対して厳しい制裁を科す制度の確立が不可欠であり、そのためには、課徴金、法人処罰などあらゆる手段を総合的に活用する必要があります。 民主党政権は、不正な企業活動から国民の生命・身体と経済的利益を守るために、経済官庁、法務省、警察庁、公正取引委員会など関連する官庁の力を結集し、経済法令の執行体制の全面的な見直しを行います。 私は、第162通常国会で独占禁止法改正案、証券取引法改正案、会社法改正案に取り組み、経済司法の大改革をスタートさせました。 ■ DIGITAL松下村塾〜原口一博国会通信 メールマガジン登録
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