2011年07月31日(日)
被ばく二世の方の訴え

 
 「兄もついこの間、甲状腺がんを摘出しました。私たちの父は長崎の原爆投下1000mのところで被曝しており、私たちは被曝二世なのです。」私の隣に座った彼は淡々と話し始めた。「姉も兄も、そして私も癌を持っています。先生は、被爆者援護法を新しく福島の人たちのために創るとおっしゃっていますが、私達、被爆者のデータを活かしてほしいのです。」

「私の友人で癌がリンパ節にも転移して横隔膜も侵している末期がんの被曝三世がいます。彼は、そのような状況に関わらず仕事をしています。私たちの癌は、癌マーカーでは発見されにくい癌のようです。血液にはでないのです。だからエコーをかけなければ発見できません。しかし、不思議なことに他の癌に比べても違う傾向があるようなのです。癌ができても苛烈にならないとでもいえばいいのでしょうか?兄の摘出された癌を見ましたが、やはり他の癌をたくさん見てきた私からしても綺麗に見える癌なのです。どうしてでしょうか?」

 彼は、原爆被爆者2世としての経験を淡々と活かしてほしいと私に訴えます。今まで何年も一緒に仕事をしていながら初めて聞く言葉でした。自著「平和」で隠されたヒバクシャについて記したのは、6年も前です。そして福島第一原発の事故。上辺だけの同情を信じられない厳しい現実に直面してきた人生。その彼が心を開いて私に自分たちを使ってほしいと言うのです。隠しておきたい事実ではないのか?誰にも知られずにいたい事実ではないのか?私の頭に隠されたヒバクシャの偏見と差別の苦難の歴史が過りました。

それでも私はそのことを口にはしませんでした。「私たちの父が受けた外部被ばくの影響からしても福島の子供たちが受けているであろう内部被ばくの影響は深刻だと思います。救える命を救うために行動できるのは先生だけです。だからお願いしています。」との言葉を聞いて、「止しておこう」などと言えるわけがありません。数多くの被曝の脅威を目にしてきた彼は、被爆者が女性であるのか男性であるのかによって後世の世代に対する影響が違うように思える。父であったのか、母であったのかの違いがあるのではないか。」と言います。長い歳月が過ぎ去りました。原爆の放射能にさらされた人たちのデータの追跡はあまりにも疎かにされており、放射能の人体に対する影響は、まだわからないことの方が多いのではないでしょうか?

 国会で証言した児玉教授の強い危機感も巨大な力は無視を続けています。しかし、真実を知らなければ、それに対応することさえできないことを国民は知っています。3.11以前と3.11以後では人々の意識も大きく違っています。巨大な利益共同体のトライアングルで真実を覆い隠そうとしても、自分たちの健康そのものに関わること、子どもたちの命に関わることを保護者達が鈍感でいられるはずがありません。

政治スクールの私に次ぐ講演で、大串代議士が「民主党の存在意義」を話しました。政官業のトライアングル、癒着の構造を根本から変えることが使命だと。その通りだと私は思います。ただし、政権交代後、一部の民主党国会議員がそれを放棄したかのようなふるまいをしていることも否定できません。根本からの立て直しを誓いました .