2010年02月18日(木)
明確なICT国家ビジョンと戦略目標

 
 国家ビジョンの具体化に向けて議論を進めました。鳩山総理は、今国会の所信表明演説において「いのちを守りたい。」と友愛の理念を力強く提示しました。この理念を実現するためにも国家ビジョン会議(仮称)を設立し、首相が議長となって明確なビジョンを提示することが求められています。
 
 変革は、卓越した1)リーダーの強い意思2)シンプルかつ具体的ビジョン3)共感できる内容による国民との協働があって初めて実現できます。ビジョンはより具体的に語られるべきで、ビジョンが形容詞中心だと国民がイメージを共有できません。より明確な言葉にすること、そしてその内容を数値化できるものは数値化して国民と共有することが求められます。

 数値化できる項目としては、GDP、BS、税収、歳出、出生率、CO2、豊かさなどが考えられるかもしれません。幸せの指数についても議論しましたが、幸せは国民一人ひとりが定義するもので公権力は「人の心の価値」の問題に踏み込むべきではないと思います。ただし、人々が「それぞれ幸せになったと感じられる可能性を増大させる」ことについては、数値を示すことができるのかもしれません。

 友人が意欲的な目標を例示してくれました。
 例えば、「国民一人当たりの豊かさが世界一になる」という数値目標をビジョンとして提示したとします。世界一というのは相対的な価値ですが、これに何のための豊かさかという指標を付け加えれば、さらにビジョンは明確になります。「貧困を原因とした公的サービスを受けられないということがなくなるほど豊かにする指標」を立て、これを実現することができれば、貧困を原因とした病気を治せないということはなくなりますし、貧しくて教育を受けられないということもなくすことができます。
 
 一人当たりGDP、平均寿命、高等教育比率、就業率、絶対的貧困率、犯罪発生率
 一人当たりの居住空間、都市公園比率、あるいは、芸術文化を創造する力やそれらに触れることができる機会も指数化することができるかもしれません。歴史や伝統の継承指数などということも考えられるかもしれません。
 ビジョンが数値化できるような具体的なものであれば、それを改善・達成するための戦略が生まれ、共有することができます。

 ICTだけを軸に考えても
 「全ての産業をICT化してGDPを3倍にする。」「ICTを医療・福祉に利用してすべての人が安心して暮らせる活力ある長寿社会をつくる」「ICTにより全ての人に届く高等教育を整備する。」「ICTにより全ての人が働きやすい社会をつくる」「貧困をICTで支援して貧困問題を解決する。」「ICTにより捜査力を向上させるとともに防犯力を増大させて犯罪から国民を守る。」「ICTにより既存のストックを高度化して容積率を緩和するなど居住空間の豊かさを実現する。」
 
国民に、平等にチャンスを提供することが政府として国家として行うべき義務を果たすことが大事だと考えます。
 
  ネットワークの向こうに瞬時につながれるコミュニティができるようになっています。
医療系アプリケーション、電子教科書のアプリケーションなども飛躍的に充実してきています。「政治というOS」を設計・構築する部分をどう高度化・先端化させるかということにかかっています。