2009年12月31日(木)
激動の1年・荒波の航海に必要なもの

 
 激動の1年でした。

 強い閉塞感。
様々な分野で主役が交代した年でもありました。

 様々なご支援・お励ましをいただいた皆さんに心から感謝の誠を捧げたいと思います。

 歴史的な政権交代の扉が開かれました。長く続いた古い政治にピリオドが打たれました。自由を一度味わった人が逆戻りしないのと同じで古い「依存と分配の政治」は二度と復権することはないと思います。
 しかし、問題はこれからです。世界不況の荒波の傷跡は深く、デフレに対しても適切に対応しなければなりません。経済指標のいくつかの数値は少し上向いたものの依然として厳しい雇用状況。積み上げられた膨大な財政赤字は政策手段の柔軟性を奪っています。
 
 政権について改めて認識したことは、野党時代に考えていた以上に劣化が進んでいるということでした。マネー敗戦という本が話題になりましたが、まるで敗戦の焼け野原に立ったような感覚に襲われたことさえあります。
 しかし、ここで踏みとどまらなければなりません、私たちは、ワイマール憲法下のドイツで起きたことを繰り返してはなりません。拡大する格差をエネルギーにファシズムが台頭します。排他的・攻撃的勢力が力を増してはなりません。
 
 成果を焦って政策をうてば足を取られます。向かうべき方向を示して一歩一歩前進することを確認したいと思います。幸いなことに、これまで抑圧の中でも耐えてきた人材は非常に優れていて、しかもたくさんいます。劣化しているといわれ続けてきた官僚機構も元は志をもって国家・公のために働こうと難関をくぐった人たちです。リーダーシップのあり方を変えることで再生します。

 あるテレビ番組で黒鉄先生が

「帆の張り方やロープの結び方だけに囚われることなく、しっかりと航海の方向を指し示しなさい。」とおっしゃっていただきました。荒波の中で船出した政権は、多くの困難に直面しています。しかし、明確に方向を指し示し、その一つ一つを丁寧に乗り越えることができれば、晴れた穏やかな青い空が待っています。

 来年は蒔いた種が芽吹く年です。


変革者

自分と自分のチームが信じられる人間だけが、その資格を持ちます。