2011年06月12日(日)
佐賀の心 葉隠の心

 
 2010年10月13日。葉隠300年を記念して葉隠研究会主催で国際シンポジウムが開催されました。
 そこでは、「21世紀に立って葉隠を憶う」と題してWHOナッシュビルセンター設立教授で葉隠研究会名誉会員でもあるステイシイ・B・デイ (米国)さんが、特別講演をしました。

 葉隠の英語版は新渡戸稲造先生の「葉隠」が有名ですが、日本人の生き方・武士道を説いた葉隠が、今、世界の多くの地域で読まれています。

 今から300年前、江戸元禄時代。佐賀藩の山本常朝が武士道を説き、田代陣基が筆録したものが葉隠です。51歳の時から7年の歳月をかけたとされています。

 「葉隠」とは何か?知るところを述べよ。
これは、私が松下政経塾入塾試験で松下幸之助さんからいただいた初めての質問です。

 私が佐賀出身と言うことでこの質問が用意されていたのか?今では知る由もありません。
 私22歳の私は「葉隠とは死ぬことと見つけたりという言葉があまりにも有名ですが、死の勧めではありません。ましてや戦争の中で死ぬことを勧めたものでもありません。葉隠とは、生そのものの哲学だと私は考えています。今、まさにここ。その瞬間、瞬間の生を研ぎ澄まし、狂わんばかりに徹底的に突きつめていけば、そこに真実が見えてきます。その瞬間、瞬間の火の具合で造形される焼き物。まさに火の文化の国が生み出した哲学です。」
という意味のことを答えました。

 6月12日、佐賀市のアイスクェアビルで葉隠研究会総会が開かれ私も挨拶の機会をいただきました。

 この研究会に初めて参加させていただいた26歳の時。県立図書館で行われた研究会は、人であふれていました。あれから25年の歳月が経ちました。これまで佐賀をひっぱってこられた方々のお顔にも歳月が刻まれています。

 後世に伝える情熱は、今でも多くの人たちの心に引き継がれています。葉隠全文はとても膨大です。初めての方は葉隠研究会から出された「入門編」をお勧めします。 .