2009年06月03日(水)
幸福の国をつくるために

 
「なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか」
ケンジ・ステファン・スズキさんのこの本は実に多くの学びを与えていただきます。


 社会システム・教育システムの基礎となる共生の哲学。
「学校教育の目的は個人が持つ能力や才能を社会のために育成すること」「常に変容する社会の中で生き延びられる力、自分で答えを見つけ出す力の育成」

 「デンマークで教育を受けた人たちは、仮に失敗したとしても、その本人をとがめる心性を持っていません。失敗をとがめる以上に、なぜ失敗したか、その過程を分析して対策を練り、新しい方法や制度を生み出していくことに努力していきます。」「とりわけ大学教育は問題に対する解答を教えるのではなく、問題を解決する方法を教える」

 電気の16%が市民でつくられている国、300%の食料自給率の国。
全ての医療と教育が無料の国。大学入試がない国。数ヶ国語を話し、世界一幸福といわれる国。デンマーク。

 瑞穂の国といわれる日本の自給率は40%。これは「砂漠の国」「孤島の国」と同じです。

 一生懸命働いてきた親友のお父さんは、緩和ケアを受けるのに2ヶ月も待って苦しみながら亡くなりました。私を笑顔で励まし続けてくださった女性は、アラームに気づかれないまま亡くなりました。

 公共サービスを受ける人と提供する人が分裂している国。
税金を貪る政治と行政が見逃されている国。

 候補者が投票するに値しないと判断すれば、諦めて投票さえしない国と
自分たちが候補になってでも政治を支えようとする国とでは、民主主義も幸福の度合いも違います。

 定額給付金をはじめとするバラマキ政策は日本の社会に深刻な影響を与えています。
「物をほしがれば与えられる・行政は貪るものである」という意識が広がれば社会は持ちません。社会は貪るものでなく、皆で支え創るものだからです。
 ○×方式で正答を覚えさせる教育は、現状維持をのぞむ政権には都合のいいシステムです。長い間の一党支配。変化を嫌い、選択肢を示そうとすれば、そんなことできるはずがないと足を引っ張る。このような心性は長い間の硬直した政治が作ってきたものです。


 解決への答えを自らつくり社会を支える人材を育成しなければなりません。