2009年03月13日(金)
世界から見た佐賀・カーティス先生の論文について・総務委員会質疑

 
【世界から見た佐賀】
世界から見た佐賀         2009年3月13日

 日本・EU議員会議が佐賀へ

  EUは米国と同様に基本的価値観を共有する戦略的パートナーです。国会にも毎年、日本・EUを相互に訪問して建設的議論を深め友好関係を強化する日本・ EU議員会議があります。私もその一員の一人で、これまでブラッセルのEU本部をはじめ、各国を訪れて、友情の絆を深め、世界の平和と安全について議論をしてきました。
 日本の訪問地はほとんどが東京でしたが、第30回の記念ともなる今年は、佐賀・長崎も訪問していただくことになりました。有田を視察して唐津に泊まり、唐津市役所を表敬訪問します。
     日本及びEUにおける政治情勢、日本及びアジア地域の政治情勢、EU及び欧州地域の政治情勢、現下の経済・金融情勢に対する国際行動の評価並びに日本とEUにおける金融危機への対応に関する比較分析、気候変動及びエネルギー政策、エネルギー及び供給ラインの確保に向けた取り組み(海賊対策を含む)、開発協力、ミレニアム開発目標及び南北安全保障問題を議論します。
     
 今年は欧州議会、欧州委員会の選挙の年でもあります。バローズ委員長は再選もうわさされていますが、リスボン条約の動きもあり学ぶことが満載です。  
今度、クロアチアが入ってEUが28になった後は拡大の方向がとまるのではないかという指摘もありますがEUは確実に拡大を続けてきました。古くからの友人でもあるドイツのヤルツェンボウスキー議員が団長です。氏の地元のフランクフルトに招かれた時を思い出します。エアバスの巨大新戦略機A380にも日欧の協力と知恵が欠かせないことを学びました。

佐賀大学の上原教授の海洋温度差発電、伊万里の菜の花プロジェクト、日本一設置率の高い太陽光発電など佐賀には自然エネルギーへの挑戦がたくさんあり欧州でも知られています。佐賀の美しい自然と豊かな文化に囲まれて、さらなる協力と友情の友好関係構築の議論がなされることを期待しております。
      

【カーティス先生論文】

 米コロンビア大学のジェラルド・カーティス先生が3月12日の朝日新聞に論説を寄せておられます。「今回の東京地検特捜部による小沢一郎・民主党代表の公設第一秘書の逮捕と事態の展開には解せないことがある。」と逮捕から一週間余りたつのに、検察当局は強制捜査に踏み切った理由などについて、国民に対し公式な説明をしていない。「これは一体どうしたことか。」と疑問を投げかけておられます。

「この事件は普通の政治スキャンダルとは質的に違う。数ヶ月以内には総選挙が行われ、政権交代が取りざたされている。その微妙な時期に「政治資金規正法違反」という形式犯で、次期首相になる可能性のある人物の公設秘書をいきなり逮捕するとは、極めて異例である。だからこそ、検察の説明責任が問われるのだ。」との先生のご指摘は正しいと思います。
 過去、検察は総選挙等の影響を考えて慎重に事を運んできたと言われています。「国家権力があくまで公平・公正に使われていると国民が信じられることが、民主主義の絶対条件である。いま日本では政治かもマスコミも、さらに国民一般も、この問題にあまりにも鈍感になっていないか。」と先生は問われています。 

 「検察が自民党のために動いたとの憶測が出たり、民主党から「国策捜査」の非難が飛び出したりした。検察当局は沈黙を守るが、マスコミは「関係者によると」などの形で様々な情報を流している。」
 「当局のリークなどによる巧妙な情報操作への疑念も生じさせている。」と先生。法治国家としてのプロセスの正当性が問われています。捜査で知りえた情報を外部に漏らすことは国家公務員法違反です。しかし、検察リークが当たり前のように行われているという疑念は消えません。現に、新聞でも「関係者への取材によると」(NHK)、「捜査関係者によると」などという文言で「リーク」を伝えています。もしこれが事実ならば、裁判員制度も成り立ちません。重大事件について裁くこととなる裁判員が検察側の作った世論によって誘導されるということはあってはならないからです。
 
それでは放送の公正性・中立性を求められる放送機関の報道内容が虚偽なのでしょうか?「朝日新聞は3月10日、『民主党、この不信にどう答える』と題した社説を掲げたが、どうして『検察、この不信にどう答える』と問いかけないのか。検察のやることは絶対に正しく疑う余地がないとでも思っているのか。マスコミは検察側が不機嫌になるような報道を自己規制して控えているからか」と問われています。

私は検察が国策捜査をするとは思っていませんし、またそのようなことを信じたくもありません。公共事業に絡む政治腐敗を徹底的に排除するように行動してまいりましたし、今後も改革を前進させます。検察が不正を追求するのは当たり前のことです。
しかし、漆間官房副長官の「自民党へは及ばない」とする捜査の中身に関する発言などを聞くと強い不信感を拭えません。検察が公の場で自らの姿勢をきちんと説明することが求められています。

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2009年3月13日衆議院総務委員会で質問に立ちました。
前回の委員会質疑では、政府提出の地方財政計画が前年度▲1%で危機的な経済状況に対応したものになっていなことを指摘しましたが、この日は、予算の重点的・戦略的配分について問題提起をしました。ICTを中心とした投資のGDP寄与率は約4割にものぼり、地方間格差も少なく47都道府県のうち、35の自治体においてITC投資の地域GDP寄与率は5割を超えています。

しかし、日本は情報通信技術もインフラも世界に先駆けて来たにもかかわらず、利活用で遅れをとっていて、国際的競争力も19位です。これは受け入れられる数字ではありません。ICTの利活用は、特に電子政府樹立・学校の無線 LAN化、レセプトの電子化の分野で米国に大きく遅れていて、お隣の韓国にも水をあけられています。2000年初頭のE―JAPAN戦略で急激なインフラ整備に取り掛かったものの、近年は総花的で明確な国家戦略さえ見えていないのが現状です。民主党としてICT投資を中心とした経済浮揚を目指すことを宣言して、かんぽの宿等の問題の追及に移りました。

資料を11枚用意しました。
11番目は予算委員会で提出を日本郵政・政府が約束したのに、ようやく昨晩、遅くに提示されたかんぽの宿等の売却に関するオリックス不動産とHMIの最終提案書審査結果です。
そもそもどうしてバルク売却は決定されたのでしょうか?バルク売却を決めた議事録は、どう探してもありませんという答えでしたが、数字にわたって求めてようやく火曜日に提示された1枚の文書を見て驚きました。委員長不在で開催された日本郵政公社の第一回不動産売却委員会ではバルク売却の疑問が様々な委員から出されて、次回の委員会の持ち方についても検討するとのことでした。これが平成16年10月19日のことです。その後、事務方だけでバルク売却を決定するまでに委員会は一度も開かれていません。バルクがなし崩し的に決定されたとの疑いが益々濃くなりました。
私の後に質問にたった河内代議士が指摘したように、そもそも収益事業でないかんぽの宿の事業に対して数字にわたり減損会計処理を入れたのは、極めて違法な処理の疑いが濃厚です。違法な処理の疑いは金融庁の減損会計についての答弁でも、益々、深まりました。

平成19年のバルク入札については、2社が応じています。
この平成19年2月26日のバルクも大問題だと思います。入札者はコスモスイニシアと駿河ホールディングスの2社です。駿河の代表者はN氏です。コスモスイニシアのSPCであるCAM6(スティルウォーター・インベトメント)の登記にもN氏の名前があります。CAM6はすでに、コスモスイニシアのSPCであることは日本郵政が認めていますので、コスモスイニシアが1つの入札に2社を使って札を入れた疑いさえあることになります。N氏は、CAM6の代表にはH17年3月に就任し、駿河ホールディングスにはH18年6月に就任されています。ということは、すでにCAM6の段階で、N氏がコスモスイニシアの関係者であることは日本郵政は把握できていたはずです。
この入札時はN氏は、CAM6と駿河の両方の代表者だったのです。日本郵政は会社登記を入札に当たっては求めています。これを見逃したとしたら明らかな怠慢です。おそらく、2社がないと入札成立せずとなるからでしょうか。同じ頭で右手と左手が入札に手を出したようなものです。胴体は同じで、右手があとで辞退して左手がとっていますが、どちらにしても同じことなどというのは、とんでもないことです。競争入札妨害にも匹敵するものではないかと懸念します。

 今日の質疑の中でもっとも衝撃的な事実は、平成20年のかんぽの宿売却について最終段階での経緯でした。オリックス不動産の最終提案書に売却の審査員である宿泊事業部長が副社長として迎えられるという提案内容があったことです。自分で決めて自分で役職につくなどということが許されていいはずはありません。総務大臣も、これでは出来レースと言われるという答弁をしました。日本郵政の専務は、問題はないという趣旨の理屈の通らない答弁を繰り返しましたが、日本郵政の西川社長は問題だとの認識を示しました。

 「雇用を勘案してオリックス不動産に決めた」と何度も国会で答弁していますが契約書や提案書を労働側に見せたわけでもりません。最終の提案書審査についても、実際の提案書に書かれていることがHMIからは除かれていますし、オリックス不動産については、正社員全員を受け入れるかのような書類になっています。やはり結論ありきであった疑いが濃いと言わざるを得ません。
 27社から22社に絞り込む段階でも雇用について特記した基準は立てられていないはずです。
恣意的な印象を強めました。