第39回 「2人の喜劇王」
「全ての武器を楽器に」喜納昌吉参議院議員は、平和を守る活動でも志をともにする友人です。喜納さんから電話。私の詩を曲にしてくださるとのこと。喜納さんの「花~すべての人の心に花を」は、平和への祈り、沖縄の心があふれた歌です。
珠玉の作品は、順風満帆な人生の中で生まれるとばかりは限りません。喜劇王と呼ばれたチャールズ・チャップリンは、孤児院で育ちました。
両親は、チャーリーが1歳のときに離婚。5歳のとき、声の出なくなった母親の代わりに舞台に立ち、喝采を浴びますが、父はアルコール依存症によって死去し、母ハンナ・ヒルも極貧のあまり心を病み、施設に収容されます。チャーリーは、孤児院や貧民院を転々としています。
佐賀の喜劇王~筑紫美主子さんは、佐賀にわかで有名です。佐賀の方言を用いたなんとも言えない軽妙な語り口。人間の本質をずばりと表現しているのに、とても温かな佐賀にわか。
北海道の旭川で生まれた筑紫さん、父親は知らないといいます。人から聞いた話では北海道に亡命してきた人だと言います。「でも、育ててくれた二親は非常に律儀な方で、とうとう最後まで私が本当の子ではないということは口にしませんでした。そんな親を泣かせたくなかったので、自分もそのことは口にしませんでした。」そうです。
そんな「両親」に抱かれ、佐賀の地に来たのは三歳の時。父親の仕事が倒産し、貧しいながらも温かい愛に包まれ育った筑紫さん、循誘小学校を卒業後、働きながら佐賀高等小学校(現在の中学校)へ。家に帰ってからは、幼い頃に得た踊りを近所の人たちに披露して日々の粗を助けていたといいます。
佐賀には温かな笑いが溢れています。笑いをつくり、笑いをを支える人の人生がどんなに困難に満ちていても、人を包み込む温かさがあります。
つらいことも笑い飛ばす、おおらかな風土と人を包み込む受け入れの姿勢。三宅一生さん、クリストさん、バジャージさん。 平和を愛し、平和のために美しい作品を創っている世界の人たちと出会う機会が増えてきました。これも佐賀が取り持つご縁です。
写真上/3月28日、鳥栖市曽根崎地区の伝統行事である獅子舞に参加。
写真下/4月10日、福岡市にて、麻生全国知事会会長とこれからの地域主権の方向性について会談・記者会見を行う。
2010年7月号掲載