第33回 「太陽の国から ペルー日本人会・佐賀県人会」
総務大臣を拝命して最初の国際会議は南米のペルーでした。
情報通信を担当する大臣として、いかにコミュニケーションにおける国民の権利を保障するか重大な使命を負っています。日本は世界の中でナンバーワンのブロードバンド環境が整備された国です。高い技術に支えられた高速大容量通信は、世界の発展に大きく寄与し、コミュニケーションそのものをも変える力を持っています。
ただ様々なメディアの運用や活用(アプリケーション)では、必ずしも世界一とは言えず課題を残しています。地上デジタルテレビ方式は、日本・北米・欧州方式がありますが、アジアでは、現在のところ欧州方式を主に考えられています。日本は発展目覚しいブラジルとタッグを組んで日本方式を南米に普及させることを目標に努力を重ねてきました。今回の南米訪問では、私自身が大統領や各国の通信大臣と直接、会談を行うことによりリマ宣言という日本を入れた5カ国が新しい日本方式への統合で意見を一致、南米全体に広げていくことに合意しました。
インカ帝国でも有名なペルー。南米の国々の象徴は太陽です。まさに太陽のように、貧しき人にも谷に住む人にも等しく情報通信の恩恵に預かることができるのが日本方式です。ガルシア大統領が松下幸之助氏に多くのことを学び、自ら松下政経塾を模して大学までつくっておられるほどだったこともあって意気投合。スムーズに話を進めることができました。
それにもまして有難かったのがペルー在住佐賀県人会の皆様をはじめとする日本人会の方々のお支えです。会長さんは上峰出身の方でしたが、皆さんの地道な活動と信頼があったればこそ、この大きな事業を成功に導くことができました。24時間も飛行機を乗り継いでいく地球の反対側の国ですが、佐賀のご縁で多くの課題が解決できたことを心から誇りに思います。
写真上/9月21日、ペルーの首都リマにおいてリマ宣言を採択。
写真下/10月10日嘉瀬川河川敷にて、緊急消防援助隊九州ブロック合同訓練を視察。閉会式では、防災を所管する総務大臣として大臣訓示を行う。
2010年1月号掲載