第12回 「エルミタージュと佐賀国際音楽祭」
アメリカの低所得者向け住宅ローン問題や原油高で年初から世界経済は、波乱の幕開けとなりました。しかし、その中でも、目覚ましい成長を遂げている国があります。
これまで中国の目覚ましい発展が耳目に上ることが多かったのですが、近年、ロシアやブラジル、インドなどの経済発展も目覚ましいものがあります。
ロシアの文化を象徴するものにエルミタージュ美術館があります。世界の芸術を集めたエルミタージュの美術品は、1分その前に立ち止まってみただけでも4年もかかるといわれるくらいに膨大なものです。
佐賀では1997年にエルミタージュ美術館オーケストラのエグゼクティブ・ディレクターである藤野栄介さんらが中心になって国際音楽祭が開催されてきました。
魂を揺さぶるような音楽に多くの感動が広がっています。自然と一体となった人の営み。その中から生まれ出る音楽の美しさは格別です。ロシアの皆さんも佐賀人の温かさにとても感謝していただきました。
サンクトペテルブルグには立派な歴史資料館があります。ロシアではナポレオンに敗れるまで歴史の編纂が本格的に行われていなかったそうです。歴史を知らない者は、国を守る気概が生まれない。その反省に立って国力を高めるためには、歴史を大切にすることが大切だと資料館建設を行ったというのです。
近年、多くの国々が競って芸術文化基本法や振興法を整備しています。
自らの育った地域や歴史を大切にすることが、経済、社会の発展にも欠かせないことを多くの人々が気づいているからです。自国の芸術・文化や教育を大切にしようとする国が、目覚ましい成長を遂げるのは、生きる喜びが日々の仕事や活動にも大きな恵みをもたらすからにほかなりません。
佐賀は教育県としても有名でした。しかし、近年広がる格差の問題は、教育界も直撃しています。教育に携わる先生や保護者の皆さんの悲痛な叫びを耳にします。
教育の格差を解消し、人の一生を支える喜びを創造しなければなりません。今年は今まで以上に芸術・文化・教育の振興に力を入れていきたいと思います。
写真上/1月3日より3日間連続で大和ジャスコ前交差点にて新年の街頭演説。
写真下/1月5日TNC情報番組CUBUにて桝添厚労大臣・山崎元副総裁と生出演。年金・医療・薬害肝炎問題・拉致問題などについて議論。
2008年4月号掲載