第5回 「青年海外協力隊と佐賀の偉人 ―末次一郎先生」
先日、東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで末次一郎先生の思いを語り遺志を引き継ぐ会が開催されました。中曽根、海部の元総理や歴代官房副長官や知事、教育者や大使館関係者など先生を囲んでいたたくさんの人たちが集まりました。
末次先生は佐賀の福富町のご出身。佐賀商業から陸軍中野学校を出られ、沖縄返還運動、青少年健全育成運動、北方領土返還運動などのたくさんの運動を主導され若い政治家をたくさん育てられた方でもあります。
世界を回ると末次先生の教え子たちにたくさん出会います。それは先生が青年海外協力隊の父祖ともいうべき人で、ケネディの平和部隊と並んで、日本の青年海外協力隊の活動は世界の尊敬と感謝を集めているからに他なりません。私も不肖ですが弟子の一人だと告げると、たとえ国籍も違っていても旧知の友のように接してくれます。
海外援助といえば、一部に豊かな国が施しをするというような傲慢な姿勢がみられたことがありました。末次先生は世界を回られ、現地に溶け込んだ草の根からの援助の必要性を訴え、青年海外協力隊を創設されました。青年海外協力隊は、世界の人々との間で飢餓と貧困に挑戦するための勇気を共有してきました。
佐賀は人口86万の小さな県です。その小さな県から世界を照らす希望の人材が多数輩出していることを私は誇りに思います。世界を回るとたくさんの感謝に出会います。その度に佐賀の持つ果てしない可能性に思いをはせます。天山の優しい山なみや多布施の清らかな流れ。白砂青松の虹の松原。豊かな自然が育んだ大きな志を皆さんも探訪してみてください。
末次先生の偉業は何も世界や国の中央だけではありません。 先生は新樹会をおつくりになり、民主教育を充実拡大を目指された一方で、「葉隠れ甚八会」を結成されました。世界の農業を学んだ有為な青年たちは、今の佐賀農業の基礎を築いていきました
写真上/平成14年「末次一郎さんの念いを語る会」にて、挨拶をする原口議員。
写真下/平成5年4月、ソ連要人と会談の為モスクワを訪問した時の写真(向かって左が末次氏)。写真右は同行した地球市民の会代表・古賀英語空手道場道場主・古賀武夫氏。
2007年9月号掲載