第66回 「進取の気性・逓信(ていしん)・郵政の根幹」
佐賀は、革新的情報通信技術をフル活用して共に学ぶ協働教育を実現する「未来の学校」の取り組みが国内でも非常に進んでいます。世界の優れた学問や芸術をいち早く学び、自らの創造につなげる進取の気性は、長崎出島の管理を任されていた佐賀藩の教育でも育まれてきました。
民営化の是非を巡って大きく組織形態が変化した郵政事業ですが、郵政事業における国民の権利を保障するという観点から、この国会でようやく法案がまとまり可決されました。民間の良いところを活かしながら公共的使命に応えていく新しい郵政が船出したのです。
郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによって、国民生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする郵貯法1条のこの崇高な理念は、郵政を支える皆さん、国民の中に深く根ざしています。
世界は、情報通信を中心に革新が進んでいます。佐賀も、縁が深いオランダでも、郵政を中心にして国際物流まで一手に引き受けるINGという世界的企業が誕生しています。
佐賀の歴史を見ても、第二次大隈内閣で逓信大臣を務めた武富時敏氏をはじめ、多くの人材を輩出しています。近年では山下徳夫郵政大臣、久留米の鳩山邦夫総務大臣など私の先輩大臣になられます。
郵便局と電話局が分かれて、今では日本郵政やNTTなど公社が民営化され、新たな参入も活発で情報通信の担い手も多様化していますが、明治の時代はこれらが一つとなっていました。
その基本は、全ての人にあまねく情報通信の恩恵を受けていただくということです。等しく機会を保障して安定と平和の基盤をつくる。
太陽の光のように全ての人に等しく降り注ぐ「尊厳のシステム」を強化していきたいと思います。
写真上)佐賀県北部地区郵便局長会・婦人の会合同研修会にて講演(2012年6月24日)
写真下1)民主党佐賀県第1区総支部常任幹事会(2012年7月7日)
写真下2)上峰町フォアスシステム圃場視察(2012年6月23日)
2012年10月号掲載