第64回 「未来の学校」が拓く日本の未来
佐賀県ICT利活用推進フェスタが教育委員会主催で行われ、総務大臣当時に「未来の学校」を提案した責任者としてご挨拶をさせていただきました。
世界一の高速ブロードバンド網を日本全国に広げる光の道改革と「未来の学校」構想について、歴史的な意義とねらいをお話ししました。
少子高齢化が進む中で、ICT(情報通信技術)を使って教育を改革して「生産性を上げる」ことこそが日本の次なる発展の基礎だと考え、小さな頃から情報通信機器を使って最先端の教育を受けることができるように仕組みを整えています。
これは学校に電子教科書や電子黒板を整備するだけのことではありません。むしろ重視しているのは電子ノートです。ノートを共有することで、子どもたちは世界の最高の教育・真善美・大きな志に触れることができます。感動や思考過程を共有することでお互いを教えあい、高めあう。これからの教育の在りかたも大きく変わります。与えられた答えを覚えることだけでなく、ともに考え学び解決方法を見出していく「ソリューション教育」に大きく変わっていくのです。
これは、シンガポールや韓国などICT先進国の新しい流れでもあります。
私たちの佐賀にとっては、目新しいことではありません。出島から最先端の科学や技術、考え方を入れ、藩校弘道館で輪読を中心とした協働教育を行う。これまで明治維新の原動力となった教育の流れを、ICTを使って現代化したものが「未来の学校」です。
協働教育はつながることを喜びとする教育です。協働教育は失敗を恐れずお互いをかばいあうことを旨とします。
今回、タウン情報さがと月刊peopleが合併し、県境を越えた雑誌に生まれ変わりました。佐賀と久留米は、歴史的なつながりも深い地域です。久留米市とみやき町の県境フェスティバルのように、筑後川を挟んだ交流も活発化しています。若い人たちを中心に交流の輪も広がっています。お互いに知恵と力を出し合う「未来の学校」をこの地域から創り上げていくことで、九州だけでなく日本の繁栄と発展に大きく寄与することができると確信しています。
写真上/ICT利活用教育推進フェスタ(2012年5月7日)
写真中右/熊本新樹会基調講演(2012年5月11日)
写真中左/憲法タウンミーティング2012~この国難、憲法から考えよう!~(2012年5月12日)
写真下右/第83回佐賀県中央メーデー(2012年4月28日)
写真下左/第4回県境フェスティバル天建寺橋大綱引き大会(2012年5月13日)
2012年8月号掲載