第17回 「イタリア 美の世界と佐賀の共通点」
イタリアで開かれた世界最大級のインテリア家具見本市「ミラノサローネ」で深川製磁(深川一太社長)の「SUMI LAMP」が高い評価を受けました。「SUMI LAMP」シリーズは、建築家のパオロ・ロマッツィ氏と同社取締役でアートデザイナーの深川惠以子さんとの共同作品です。
佐賀平野を渡る緑の風。ぽっかりと浮かぶ白い雲。いくつもの雲が風に流されていく・・・。自然の恵みの中で美しい作品が生まれていきます。
イタリア大使館のアマーティ公使と話をしました。
「東京は世界のどの都市よりも進んでいる未来都市です。日本の中も地域間格差が大きいのか地方都市は、欧州の都市のほうが発展している気がします。」という公使の言葉とおり、日本の都市でも世界経済に直結している都市がどんどん発展しているのに、農業などを中心とする地域は厳しい状態が進んでいます。
エネルギーを地下資源に頼っている限り、この構造を変えることはできません。
佐賀やイタリアのように自然に恵まれ「太陽がいっぱい」の地域が発展するためには、エネルギーの構造そのものを変える必要があります。一人一人が自分の使うエネルギーに責任を持つ社会が誕生したと考えてみてください。どこか遠くの巨大な発電所からくる電力ではなく、再生可能な太陽光で一人一人がエネルギーをまかなえる社会を想像してみてください。
佐賀では毎年5000億円ものエネルギー代金が地域に落ちることになります。
シャープがイタリアの電力大手ENELと太陽光発電事業の提携で合意しました。2011年末までにイタリアに複数の太陽光発電所を共同で設置するとのことです。
洞爺湖サミットが始まります。命を育む一次産業が食べていけない世界は、滅びの世界です。命を育む人たちが安定した収入を得て、自然を壊さないことが、生活の安定となる・・・。そんな社会の基礎が佐賀にはたくさんあります。サミットを機にエコな佐賀の知恵を探して見てはいかがでしょう。
写真上/6月1日、佐賀市松原のまちづくりの一環として井徳屋さんオープン。
写真下/6月8日、高伝寺前村岡屋ギャラリーにて、書家田中恵美子さんの書作展。
2008年9月号掲載