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第19回 「PISA世界一  フィンランドの教育にみる 教育県佐賀の復活」


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かつて教育県日本一と言われた佐賀。その秘密はどこにあったのでしょうか?

私はこの夏、フィンランドを訪れました。教育力世界一の背景を調査するためです。そこで見たものは、何も特別なものではありませんでした。当たり前のことが驚くほど愚直なまでに当たり前に行われていました。それは子どもと向き合うという基本的なことでした。 フィンランドは、PISA学力判定がスタートしてからずっと世界一の学力を誇っています。しかも10年も世界一であり続けています。特に国語力、それも読解力が常に世界一で数学も世界1、2という判定です。その秘訣はどこにあるのか?
「図書館教育」も素晴らしく、毎年、教育省だけで3500件もの世界中からの視察があり、終に説明を一部、有料化したそうです。「生涯教育」の場もしっかりと用意されています。
読解力の秘密をいろいろな人に尋ねましたが、どうも社会政策にあるようです。子育て中の女性は、2時間早く仕事を切り上げて帰ってよいらしく、熱心に子どもたちに読み語りをして上げます。親の家庭での教育力の高さが素晴らしい学力を生んでいるとのことでした。事実、ここでも子どもたちが子どもたちを教えるという協働の学びが行われています。けして落伍者をつくらず、底上げしていく工夫がいたるところに施されています。
国際競争力世界一の秘密が競争ではなく協働の教育にあることを知って、嬉しくなりました。自分の成功が他者の成功になる。他者の成功が自分の成功となるならば誰が足を引っ張るでしょう。
佐賀県の教育関係の皆さんと話し合う機会を持ちました。教育の再生の方途は、生きることを大切にし、楽しむ基本に立ち返ることにこそあるのではないかと思います。「スコラ」…学問を意味するこの言葉は暇を意味しています。

創造や協働が生まれる土壌は、豊かな自然の中で培われた生活の中にこそあります。佐賀のスローライフをもう一度見直してみてはいかかでしょう?

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写真上/7月26日 パリにて、IAEA国際エネルギー機構の田中事務局長と原油高・物価高について議論。
写真下/7月13日 鳥栖市にて、国政報告会。

2008年11月号掲載


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