第41回 「マディバ(インビクタス~負けざる人々)」 南アフリカ統合と発展の大地から
真っ黒に焼けた顔。まっ白い歯。強い意志と朗らかな笑顔。大きな駝鳥をまるで自分の馬のように乗りこなす少女の写真が届きました。見ているだけで心の底から力が湧いてきます。見る人にたくさんの勇気を与える「雄姿」。
この少女は私の子どもの同級生で単身、遠く南アフリカに留学をしているのです。自分で調べて自分で手配して、自分自身の力で生き抜いていく。
ここ南アフリカは、今年、FIFAサッカー・ワールドカップが開催され岡田ジャパンも白星スタートを切りました。
かつては厳しい人種差別・アパルトフェイト政策が行われた国・南ア。荒れる国を立て直し国民を統合したのは、マディバ(ネルソン・マンデラ大統領)でした。人種差別と闘うマディバは、27年間も投獄されます。自由を得て大統領になったマディバは、自分をそんな目にあわせた人たちに許しを与えただけでなく、仕事を与え国をともに創ろうと呼びかけます。
「“過去は過去”だ。皆さんの力が必要だ。我々が努力すれば、我が国は世界を導く光となるだろう」と。
かつては、白人支配の象徴でもあった金と緑のラグビー・ジャージは捨てられるどころか統合の象徴となり、1995年南アチームは、ワールドカップに優勝するという偉業を成し遂げます。人種の壁を乗り越えて皆が心を一つにすることで国際舞台から見放されたような弱小チームはみるみる変身を遂げます。恩讐を超えた強い指導力が国民を一つにしたのです。
人々の心から憎しみと怖れを取り除き、勇気に変えていく。リーダーの条件とは何かを強く問いかけてきます。
南アフリカは、地上デジタル日本方式についても関心を寄せていただいており大臣会談も予定したいと考えています。
「駝鳥にまたがった少女」の御祖父様は佐賀の私の家の近くで開業医をされています。遠く南アフリカの大地で多くのものを吸収して佐賀に持ち帰る日がくるかもしれません。
写真上/5月22日、佐賀県行政書士会の定期総会に来賓として出席し挨拶。
写真下/5月22日、唐津市内にて、国政報告会と街頭演説会を開催。
2010年9月号掲載