第6回 「大隈重信侯と政党政治」
世界には様々な政治形態があります。王政もあれば軍事独裁政権の国もあります。しかし、多くの国が憲法をもち政党政治を中心とする民主政治を選択しています。憲法とは、国民が最高法規によって政府の権力を縛るものです。近代憲法が前提にしたのがこの立憲主義です。これは、憲法という国のかたちの中で国民一人ひとりが自由に自分の生きかたを選ぶことができるし、選ぶべきだという考え方です。権力の正当性の源泉は国民にあり、国民の基本的人権を保障しない政府は、国民を代表する資格がありません。
政党は、権力が独裁に陥るのに対抗し、国民の権利を保障するための理念や政策を練り上げます。人材を育み選挙で国民に信を問います。
佐賀が生んだただ一人の総理大臣である大隈重信侯は、日本初の政党内閣を組閣した政党政治の先駆者です。早稲田大学をつくり人材の育成に心血を注ぐ一方で、立憲改進党を率いて維新後は財政、外交など多方面で活躍しました。大隈侯は民衆政治家として人気を得ましたが、その理由は、守るべき国民の権利と国益をはっきりと理解していたからに他なりません。
8月の末に、東京で超党派の現職国会議員によって大隈重信侯を主人公にした立憲時代劇が開催されます。国境や人種や宗教の違いを超えて民主主義を育む連帯が育まれるようになってきました。理念を共有する政党のネットワーク勉強会が世界的にも頻繁に開かれるようになりました。
大隈重信侯が佐賀でどのように育てられたのか?日本の民主政治の基礎を築く思想をどのように育んでいかれたのか?研究してみると新たな感動の発見があるかもしれません。
鍋島直正侯は、どんな学問でも自由に討議させ、他藩への遊学や海外への留学を積極的に勧めました。夏休み。多くの子どもたちが海外や他の地域に行く機会も増えると思います。外から見た佐賀を実感するチャンスになればと思います。
去る7月10日、佐賀市若楠の若楠公民館にて、年金問題をテーマにした国政報告会を行った原口議員。
2007年10月号掲載